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娑羅
「娑羅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
娑羅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
天井も柱も煤の色をした、見すぼらしい八畳でしたが、正面に浅い六尺の床があって、婆
娑羅大神《ばさらだいじん》と書いた軸の前へ、御鏡が一つ、御酒徳利が一対、それから....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
求道譚に、ヒントを得たものと存じます。 「林を出て還ってまた林中に入る。便ち是れ
娑羅仏廟の東、獅子吼ゆる時|芳草緑、象王|廻る処落花|紅なりし」 と仏国禅師は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の生き方やら嗜好をさしていうものか。 又太郎はふと思いついた。 ちかごろ“婆
娑羅”という流行語をしきりに聞く。 おそらくは、田楽役者の軽口などから流行り出....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、すでに二十たびをこえ、そのつど顔ぶれもふえ、またさかんになるに従って、会後の婆
娑羅な無礼講の遊宴も、いつか常例になっていた。 無礼講は、無礼問わずである。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すねもせず と、言ってからかったりすると、兼好も負けずに、すぐ筆をとって、 婆
娑羅な 殿を 肴にもする と下の句をつけ、共に大笑いするといった風な仲にすぎな....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
では、飲むまいとしていた顔であったと分って、妓たちは凱歌にはしゃぐ。こうなれば婆
娑羅の本領である。高ノ師直のごとき、眼の中のチリでもないと、道誉は観る。 「これ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なのだが、 「道誉どのが」 と聞くと、格別な興をそそられてくるのらしい。あの婆
娑羅どのだ、軍装も図ば抜けているだろうと思うのである。 その佐々木道誉の陣立ち....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る。 「いつもこうなのか」 道誉は左右の臣にきいていた。 「――世間はおれを婆
娑羅というが、おれもおよばぬ婆
娑羅僧正ではないか」 「何せ、たいした上人でござい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
者の立場に驕り、旧文化や貴族を侮辱することに惨酷なよろこびすら持っているほかの婆
娑羅大名や武士どもではなかったろうか。師直の肉親、師泰などというのもいる。 強....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
に、 道誉寺 とよんでいる佐々木道誉のぼだい寺である。 臨済の一禅堂で、婆
娑羅大名の道誉が晩年住んだ所だが、元より昔の宏大さはない。平常は京都博物館におい....