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娜
「娜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
娜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
る声は鈴の音《ね》よりも高く、静かなる朝の街《まち》に響き渡れり。通りすがりの婀
娜者《あだもの》は歩みを停《とど》めて、 「ちょいと小僧さん、石動までいくら? ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
姉様《あねさま》三千で、下谷《したや》の伊達者《だてしゃ》、深川《ふかがわ》の婀
娜者《あだもの》が沢山《たんと》いる。 祖母《おばあ》さんは下に置いて、 「一....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ように、ちょいと盤台を預っとくんねえ、か何かで、」 お蔦は半纏の袖を投げて、婀
娜に酔ッぱらいを、拳固で見せて、 「それッきり、五日の間行方知れずになっちまう。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
水を汲む音が、馴れた女中衆でありそうに思われました。 ト台所の方を、どうやら嫋
娜とした、脊の高い御婦人が、黄昏に忙しい裾捌きで通られたような、ものの気勢もござ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
気高い顔して、恍惚と見詰めながら、よろよろと引退る、と黒髪うつる藤紫、肩も腕も嬌
娜ながら、袖に構えた扇の利剣、霜夜に声も凜々と、 「……引上げたまえと約束し、一....
「女客」より 著者:泉鏡花
ってはないんですからね。どうせ帰れば近所近辺、一門一類が寄って集って、」 と婀
娜に唇の端を上げると、顰めた眉を掠めて落ちた、鬢の毛を、焦ったそうに、背へ投げて....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、やや急込んで言って、病身らしく胸を圧えた。脱いだ羽織の、肩寒そうな一枚小袖の嬌
娜姿、雲を出でたる月かと視れば、離れた雲は、雪女に影を宿して、墨絵に艶ある青柳の....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
が一人腰を掛けたのである。 待て、ただ艶麗な、と云うとどこか世話でいて、やや婀
娜めく。 内端に、品よく、高尚と云おう。 前挿、中挿、鼈甲の照りの美しい、華....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
も、よく釣合って、抜けるほど色が白い、ちと大柄ではありますが、いかにも体つきの嫋
娜な婦で、 (今晩は。) と、通掛りに、めし屋へ声を掛けて行きました。が、※と....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、祝と披露を、枕橋の八百松で催した事がある。 裾を曳いて帳場に起居の女房の、婀
娜にたおやかなのがそっくりで、半四郎茶屋と呼ばれた引手茶屋の、大尽は常客だったが....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
り薄い片膝立てで黒縮緬の羽織を着ていた、芸妓島田の。」 「うむ、それだ。それは婀
娜なり……それに似て、これは素研清楚なり、というのを不忍の池で。……」 と、半....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
とも云えないほど口許の優い、目の清い、眉の美しい、十八九の振袖が、裾を曳いて、嫋
娜と中腰に立って、左の手を膝の処へ置いて、右の手で、筆を持った小児の手を持添えて....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
弁当の鰯の名に、紫はありながら、杜若には似もつかぬ、三等の赤切符。さればお紺の婀
娜も見ず、弥次郎兵衛が洒落もなき、初詣の思い出草。宿屋の硯を仮寝の床に、路の記の....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。」 「簪が?……ちょっと。」 名は呼びかねつつ注意する。 「いいえ。」 婀
娜な夫人が言った。 「ええ、滅相な……奥方様、唯今ではござりません。その当時の事....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
肩の処が半分見える。いま和尚の肩と、柱の裏の壁らしく暗い間に、世を忍ぶ風情で、※
娜と、それも肩から上ぐらい、あとは和尚の身体にかくれた、婦が見えます。 はっと....