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娶
「娶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
娶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
その風采《ふうさい》想うべしである。しかも年は二十《はたち》になったが、妻はまだ
娶《めと》っていない。家は門地《もんち》も正しいし、親譲りの資産も相当にある。詩....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は宿命を疑うべきである。なぜと云えば我我は我我に負わされた宿命により、我我の妻を
娶《めと》ったではないか? 同時に又我我は我我に恵まれた自由意志により、必ずしも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ない、聞くものには張合のない口吻で、 「だが、母さんが、」 「母様が何だ。母様が
娶うんじゃあるまい、君が女房にするんじゃないか。いつでもその遣方だから、いや、縁....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ヒュペリオンの愛の力によりてテイアより生れぬ。 されど、クリオスはユウリュビアを
娶りて力強き御子たち パルラス(Pallas)とアストレオス(〔Astra:os....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
父を失い、去々年また母を失い、全く孤独の身とはなり果てつ、知れる人の嫁入れ、婿|
娶れと要らざる世話を懊悩く思いて、母の一周忌の終るとともに金沢の家を引払い、去年....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、妹が美しいから負けないようにって、――どういう了簡ですかね、兄さんが容色望みで
娶ったっていうんですから…… 小児は二人あるし、家は大勢だし、小体に暮していて....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
は太く苛立つ胸を、強いて落着けたらんごとき、沈める、力ある音調もて、 「汝、よく
娶たな。」 お通は少しも口籠らで、 「どうも仕方がございません。」 尉官はし....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
に今も来る途中、朋友なる給水工場の重役の宅で一盞すすめられて杯の遣取をする内に、
娶るべき女房の身分に就いて、忠告と意見とが折合ず、血気の論とたしなめられながらも....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
お前さんも恋しがってるし、むこうでもそんなに思っているものが、飛んだ、お婿さんを
娶ってまたそうだし……」 小親が口籠りて吐くいきに、引入れらるるよう心細く、 ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
不状に膨らましたなりで、のそりと立上ったが、忽ちキリキリとした声を出した。 「嫁
娶々々!」 長提灯の新しい影で、すっすと、真新しい足袋を照らして、紺地へ朱で、....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
に油を灌いで、大の字|形に寝込ませた。 ちょうど同じ日に一足後れて、お夏さんを
娶ろうという、山の井医学士の親類が、どんな品行だか、内聞、というので、お夏さんの....
「妖怪学」より 著者:井上円了
のにして、すなわち季節を定め教うる天のたまものなり。これによりて、男女の相性、嫁
娶、修造、家相を選ぶも、みな相生を吉とし相剋を凶とす。しばらくも五行を離るること....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
したほど青木よりも一層徹底して、剛毅果断の気象に富んでいた。 青木は外国婦人を
娶ったが、森は明治の初め海外留学の先駈をした日本婦人と結婚した。式を挙げるに福沢....
「活人形」より 著者:泉鏡花
少しも思いがけざりき。 されば巨万の財産を挙げて娘の所有となし、姉の下枝に我を
娶わせ後日家を譲るよう、叔母はくれぐれ遺言せしが、我等の年紀の少かりければ、得三....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
し、秋風の鳴るなかで賢者スペンサー翁をとぶらったのである。) 一生不。 (一生|
娶らず、俗世間の縁を避け、心血を結集して五大編を書きあげた。骨は倫敦郊北の地に埋....