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「娼婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

娼婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
くしたパリサイの徒もいた事であろうし、髪に青い粉をつけて、ナルドの油の匂をさせた娼婦たちもいた事であろう。あるいはまた、羅馬《ロオマ》の兵卒たちの持っている楯《....
或る女」より 著者:有島武郎
ちばん強大な蠱惑《こわく》物)のすべてまで惜しみなく投げ出して、自分を倉地の目に娼婦《しょうふ》以下のものに見せるとも悔いようとはしなくなった。二人《ふたり》は....
ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
いる。そしてその児が意地の悪いことをしたりする。そんなときふと邪慳《じゃけん》な娼婦は心に浮かび、喬《たかし》は堪《たま》らない自己|嫌厭《けんお》に堕《お》ち....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
犬畜生のような奴だと云うのでは無いかと思われます。江戸時代のよし原では、心中した娼婦の死骸は裸にして葬ると云い伝えていますが、そのほかには死骸を裸にして葬るとい....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私に深い感銘を与えるものは、基督の短い地上生活とその死である。無学な漁夫と税吏と娼婦とに囲繞された、人眼に遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛....
振動魔」より 著者:海野十三
まちょいとお仕事が、おあんなさるのですって」 雪子夫人は、お饒舌をしたあとで、娼婦のように、いやらしいウインクを見せたのだった。 「奥さん、今夜はどうかなすっ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
なく、かれらは相前後して門前に近づいた。見ればかれらは紅白粉をつけて、その艶容は娼婦の如くであるのみか、その内服は真っ紅で、下飾りもまた紅かった。 「こんな尼が....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
したが、実のところ、もう一度逢うことが出来れば、彼女が高貴な女であろうと、または娼婦のたぐいであろうと、わたしはそんなことを気にかけてはいないのでした。 わた....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
、太い咽喉がいつもベトリと汗ばんでいる。そのくせ、齢の割に皮膚が艶々しく、どこか娼婦というよりも喰物の感じが強い女だった。嘘吐きで、お人好しで、人に瞞されやすく....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
では、ホレイショが女性であって、ヴィッテンベルヒに遊学中、ハムレットと恋に落ちた娼婦と云う事になっている。 つまりその娼婦を、男装させて連れ帰ったと云うのが、....
多神教」より 著者:泉鏡花
むかいの駅へ行った県庁づとめの旦那どのが、終汽車に帰らぬわ。予てうわさの、宿場の娼婦と寝たんべい。唯おくものかと、その奥様ちゅうがや、梅雨ぶりの暗の夜中に、満水....
役者の一生」より 著者:折口信夫
だから源之助が田之助を学ぶのは、極めて当然なことで、その前の岩井半四郎と田之助の娼婦式な役柄の方面が、彼に力強く保たれたのである。 毒婦が認められるようになった....
夜の構図」より 著者:織田作之助
気持は判らない。いや、判ろうとしない。たとえば、そのようなことを平気でする芸者や娼婦すら、こういう男の気持を、単なる移り気だと見て、責めるのだ。 「男ってみなそ....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
し汁のような政治論には余り感服しなかった上に、其処此処で見掛けた夫人の顰蹙すべき娼婦的|媚態が妨げをして、沼南に対してもまた余りイイ感じを持たないで、敬意を払う....
情鬼」より 著者:大倉燁子
て喜ぶなんて淑女のするこっちゃあない。そんな事はすれっからしの西洋かぶれのした売娼婦か何かのやる手ですよ。宮本夫人ともあろうあなたが、そんな浅間しい真似をしちゃ....