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「婆さん〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

婆さんの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ツやズボン下を吊《つ》った下に婆《ばあ》さんが一人|行火《あんか》に当っている。婆さんの前にもメリヤス類。毛糸の編みものも交《まじ》っていないことはない。行火の....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
。彼ははっきりと覚えている――大溝《おおどぶ》に面した貸本屋を、人の好い貸本屋の婆さんを、婆さんの内職にする花簪《はなかんざし》を。婆さんはやっと小学へ入った「....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
水際《みずぎわ》の柳や槐《えんじゅ》の陰に、その舟を見送っていたのである。 「お婆さん。」 「お爺さん。」 「まずまず無事に芝居もすむし、こんな目出たい事はない....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
すか? あれは五位鷺《ごいさぎ》でございますよ。」 お蓮は眼の悪い傭《やと》い婆さんとランプの火を守りながら、気味悪そうにこんな会話を交換する事もないではなか....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ら、 「さあ、もうあちらへ行きましょう。麻利耶様は難有《ありがた》い事に、この御婆さんのお祈りを御聞き入れになって下すったからね。」 と、何度も繰り返して云った....
魔術」より 著者:芥川竜之介
開《あ》いて、玄関へ顔を出したのは、ミスラ君の世話をしている、背の低い日本人の御婆さんです。 「ミスラ君は御出でですか。」 「いらっしゃいます。先ほどからあなた....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
《せいばつ》を思い立った。思い立った訣《わけ》はなぜかというと、彼はお爺さんやお婆さんのように、山だの川だの畑だのへ仕事に出るのがいやだったせいである。その話を....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
浅黒い、髪の毛の縮《ちぢ》れた、小がらな女だったと言うことです。 わたしはこの婆さんにいろいろの話を聞かせて貰いました。就中《なかんずく》妙に気の毒だったのは....
」より 著者:芥川竜之介
にこの建札を見つけましたのは、毎朝興福寺の如来様《にょらいさま》を拝みに参ります婆さんで、これが珠数《じゅず》をかけた手に竹杖をせっせとつき立てながら、まだ靄《....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
った後にも時々泣かずにはいられなかった。すると「王子の叔母さん」と云う或遠縁のお婆さんが一人「ほんとうに御感心でございますね」と言った。しかし僕は妙なことに感心....
」より 著者:芥川竜之介
しまったようでございます。これがまた、白あばたの、年に似合わず水々しい、大がらな婆さんでございましてな、何さま、あの容子《ようす》じゃ、狐どころか男でも……」 ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
聞かせると、その友だちの泰《たい》さんと云うのが急に真面目な顔をして、「じゃお島婆さんに見て貰い給え。」と、熱心に勧め出しました。そこで仔細《しさい》を聞いて見....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
りはじめる。同時に又家の内部も見えはじめる。そこには「さん・せばすちあん」に似た婆さんが一人片手に糸車をまわしながら、片手に実のなった桜の枝を持ち、二三歳の子供....
追憶」より 著者:芥川竜之介
いたころ、どこの長唄の女師匠は亭主の怨霊にとりつかれているとか、ここの仕事師のお婆さんは嫁の幽霊に責められているとか、いろいろの怪談を聞かせられた。それをまた僕....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と何か頻に話し合っていました。 「実は今....