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婉
「婉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
婉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
《けんか》させては悪いと思い、クラバックのいかにも不機嫌《ふきげん》だったことを
婉曲《えんきょく》にトックに話しました。
「そうか。じゃやめにしよう。なにしろク....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
結構です。もし書いて頂ければ、大いに新聞に広告しますよ。「堀川氏の筆に成れる、哀
婉《あいえん》極《きわま》りなき恋愛小説」とか何とか広告しますよ。
保吉 「哀....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
' Choisy〕 にこんなことを尋ねた。シャルル六世は気違いだった。その意味を
婉曲《えんきょく》に伝える為には、何と云えば好いのであろう? アベは言下に返答し....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
さんなどはこぼしていらっしゃいましたよ。……」
M子さんのお母さんはいつか僕に
婉曲《えんきょく》にS君のことを尋ね出しました。が、僕はどう云う返事にも「でしょ....
「或る女」より 著者:有島武郎
貌《びぼう》とに充分の自信を持つ葉子であったら、毛の末ほども自分を失う事なく、優
婉《ゆうえん》に円滑に男を自分のかけた陥穽《わな》の中におとしいれて、自縄自縛《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
御意見は御意見、感情問題は別として、これだけはお願い申したいでごわりまするが、と
婉曲に言いは言ったが、露骨に遣ったら、邪魔をする勿であるから、御懸念無用と、男ら....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
恐多い。ただ、西の方遥に、山城国、浄瑠璃寺、吉祥天のお写真に似させ給う。白理、優
婉、明麗なる、お十八、九ばかりの、略人だけの坐像である。 ト手をついて対したが....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
時、丸太棒が鉄のように見えた。ぶるぶると腕に力の漲った逞しいのが、 「よし、石も
婉軟だろう。きれいなご新姐を抱くと思え。」 というままに、頸の手拭が真額でピン....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
我等読者を哄笑せしむること少しとなさず。久保田君の主人公はチエホフのそれよりも哀
婉なること、なお日本の刻み煙草のロシアの紙巻よりも柔かなるが如し。のみならず作中....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
蔵すと云うも可なり。 四、佐藤の詩情は最も世に云う世紀末の詩情に近きが如し。繊
婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ。「田園の憂欝」の如き、「お絹とその兄弟」の如き、皆....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
ツ、唇を引緊めた。 追っかけて、 「何んでございますか、聞かして頂戴。」 と
婉然とする。 慌て気味に狼狽つきながら、 「貴女は、貴女は気分が悪くって寝てい....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
どこに金がしまってあるか分る!」 村人はこの一言に、すっかり戦慄してしまった。
婉曲な立ち退き策が成功して、Aは村を去った。空手でやって来た彼は、大きなトラック....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
へ通した。 真中に例の卓子台。で欄間に三枚つづきの錦画が額にして掛けてある。優
婉、娜麗、白膩、皓体、乳も胸も、滑かに濡々として、まつわる緋縮緬、流れる水浅黄、....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
をしたように思ったからである。 「やあ、雪代さんか、」 と、八郎が声を掛けた優
婉な婦が居て、菊の奥を台所口から入ったお悦の手から魚籠を受取った。……品のいい、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ないで、二葉亭の不平を融和する旁ら、機会あるごとに力を文学方面に伸ばさしめようと
婉曲に慫慂した。二葉亭は厚誼には感謝したが、同時に頗る慊らなく思っていた。 が....