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婚家
「婚家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
婚家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
密になった。 リエは戦争未亡人のひとりだが、姑《しゅうとめ》、小姑の意地の悪い
婚家から、主人戦死の公報のくる前にとびだしたので、実家からも義絶された状態になり....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
年明治廿八年末に物故されている。 三 そこで、生活は一変したが、
婚家では困ったお嫁さんをもらったのだった。陽気な家のものたちは、あからさまに言っ....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
ました。一人息子の信彦は北京に行っていて、家族には、信彦の妻の政子と子供の信生、
婚家先から戻って寄食してる姪の辰子、それだけでした。東京が空襲に曝されるようにな....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
戦死したが、戦死しなくとも、帰還のあかつきは離縁の肚にきめていたそうで、もちろん
婚家へ戻れなくなり、戻る気もない。よって正一郎の完全なるヤッカイ者の一人であるが....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
者の家に凶事をもたらすと伝えられている。その伝えの如くに姉妹は絶世の美女で、姉は
婚家の産を破り、妹は殺害せらるるに至った。 十一月十一日は赤裂地神を祭る天王会....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
い眼力で、なんとなく怪しい気配を感づいた。 ★ 地伯が姉の
婚家へころがりこんできたのにはワケがあった。父の兆久が死んだのは今から十五年前の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
行動しはじめていたでしょう。またこの実演にとりかかる前には、奥様が結婚あそばして
婚家へ立ち去ることも必要でした。ロッテナム夫人は奥様の御婚礼の一ヶ月ほど前に開店....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
二まで乳母として附きそってくれた杉山シノブという老女が公爵家での新婚生活を案じて
婚家へついてきてくれた。それが脅迫の秘密をうちあけた唯一の相談相手で、お金を渡す....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
ける様子がないのでケンカ別れとなった始末だ。勝美もミドリも類の少い美人であるから
婚家に当り前に暮していられるが、さもなければ肩身がせまくて
婚家に居づらいに相違な....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
くなりなさいましてございます」 「妾はお葬式にも行けなかったが。……それもこれも
婚家の事情で。……旦那様のご病気のために。……それで菊弥や、妾の所へ来たのだねえ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
かたまって発育のとまったところがあるようだ。 だいたい御婦人の多くは結婚すると
婚家の風にコチコチにかたまり易いものだ。もうそうなると、
婚家以外のところでは通用....
「猿ヶ京」より 著者:佐藤垢石
母の膝下へ帰った。兄は、この結婚は失敗であったということを深く理解していた。妹が
婚家を去ったという報せをきいて、猿ヶ京へ飛び帰り、厚く妹を慰めそして謝した。 ....
「盗難」より 著者:佐藤垢石
問題でないにしても、まだ二十歳を出たか出ない未亡人の前途は、甚だ長い。このまま、
婚家へ止めて置いて一生|後家暮らしをさせるのは不憫である。一旦、里方へ帰し、そし....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
「まあ、政枝さん、どうしたというの。しっかりしなくちゃ駄目じゃないの」 隣町の
婚家先から駈けつけて来た多可子は二階に昇るなり政枝の右肩を掴み、優しくゆすって叱....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
き、故郷の村の隣村、ひの川をさらに三里下って、スサノオノミコトとイナタヒメとが新
婚家庭をもった村から招かれて、そこへ移って開業をした。その飯石村──家の庭へいの....