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「婦人病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

婦人病の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
。――あなたは気のふさぐのが病だって云うから、これを一つ献上します。産前、産後、婦人病|一切《いっさい》によろしい。――これは僕の友だちに聞いた能書《のうが》き....
或る女」より 著者:有島武郎
い按摩《あんま》を呼んだりした。腹部の痛みが月経と関係があるのを気づいて、葉子は婦人病であるに相違ないとは思った。しかしそうでもないと思うような事が葉子の胸の中....
新種族ノラ」より 著者:吉行エイスケ
並べている。ときどきこっそり支那街へ海蛇《うみへび》の料理を食しにいらっしゃる。婦人病の薬だとて。 衣裳は、三十枚のアフタヌーン・ドレス。彼女の年齢と同じだけ....
職工と微笑」より 著者:松永延造
等の不快な事実が私を粗暴な感情へと導かずには置かなかった。「畜生! 私は……あの婦人病患者と関係してやろう。」腹立ちまぎれに、そう決心したのは其の夜の明け方であ....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
のように上品すぎることと、その胆汁が滲みだしたような黄色い皮膚と、そして三十女の婦人病を思わせるような眼隈の黝ずみぐらいなものであった。しかし軈てそれさえすこし....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
であった。 「どんな女だろう。まだ若いんだぜ。」 「一体なんの病気だろう。」 「婦人病だと困るぜ。そんな薬は誰も用意して来なかったからな。」 「悪くすると肺病だ....
」より 著者:徳田秋声
満ちて来る湯の滴垂りばかりが耳について、温かい煙が、燈籠の影にもやもやしていた。婦人病らしい神さん風の女や、目ざとい婆さんなどが、やがて続いて入って来た。 お....
道標」より 著者:宮本百合子
呻り声は、はじまった病気の苦しみというよりも、死ぬ間際のうめきのようにきこえた。婦人病棟だのに、その呻り声は高く低く男のようにしわがれて、ドアの外の廊下を看護婦....
」より 著者:金子ふみ子
いない――私たちの家に、母の実家から母の妹が、だから私の叔母がやって来た。叔母は婦人病かなんか患っていたが、辺鄙な田舎では充分の治療が出来ないというので、私たち....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
の医者から、それはけっしてお芝居ではなくて、わがロシアに特有のものらしい恐ろしい婦人病だと聞いて、二度びっくりした次第である。これはわが国農村婦人の惨澹《さんた....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
の通語と為りしもの多き中にも、我輩の耳障《みみざわり》なるは子宮の文字なり。従前婦人病と言えば唯、漠然血の道とのみ称し、其事の詳《つまびらか》なるは唯医師の言を....
決闘」より 著者:神西清
かに海辺を歩き廻わっては咳をするという、人嫌いの背の高い痩せた男だったが、これは婦人病だと言って温湿布をすすめた。以前まだ愛のあった頃は、彼女が病気だと聞くと可....
放浪作家の冒険」より 著者:西尾正
らぶれて、ここかしこさだめなく、飛び散らう落葉かな」というわけで、自慢じゃないが婦人病以外の病気はたいていわずらった。なかでも業病は腹だ。日本にいる時からとんが....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
コと言っている。薄墨色で肝臓と間違いやすくもしこれを食えば即死だ。けれど、これは婦人病には特効があるというので、日陰干しにして売っているところがあるが、味はから....