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媒酌
「媒酌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
媒酌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
も今度の縁談は先方から達《た》っての所望《しょもう》だと云う事、校長自身が進んで
媒酌《ばいしゃく》の労を執《と》る以上、悪評などが立つ謂《い》われのないと云う事....
「運命論者」より 著者:国木田独歩
との出来ないほど、逆《のぼ》せ上げたのです。 そして其《その》結果は井上博士が
媒酌《ばいしゃく》となり、遂《つい》に僕は大塚の家を隠居し高橋の養子となりました....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いたが驚いたね。勿論五年級にゃ佳いのが居ると云ったっけが、」 「じゃあその教頭、
媒酌人も遣るんだな。」 と舌尖三分で切附けたが、一向に感じないで、 「遣るさ。....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
三人が一緒になって球を打っていった。 「君たちはだいぶ仲がいいようだが、まだ私に
媒酌を頼みに来ないネ」と課長は更に機嫌がよかった。 「よして下さい。ジュリア君の....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
感ぜざるを得なかった。 青楓氏が今の夫人と法律上の結婚をされる際、その形式上の
媒酌人となったのは、私達夫妻であるが、私はそれを何程の事とも思っていなかった。と....
「雷」より 著者:海野十三
いっとる?」 「どういっとるも、こういっとるもない。高村町長はお里と英三の婚礼の
媒酌人じゃ。四郎の前に出るには、ひょっとこのお面でも被ってでなければ出られまい」....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
初は進まなかったが考えてみると娘の為め細川の為め至極良縁だと思う、何卒か貴所その
媒酌者になってくれまいかとの言葉。胸に例の一条が在る拙者は言句に塞って了った、然....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
私は体が悪くって二年越この田舎へ来ていたんだ。あの人は、私が世話になってる叔父が
媒酌人で結婚をしたんだろう。大して懇意ではないが見知越でいたのだった。 ちょう....
「段梯子の恐怖」より 著者:小酒井不木
てた妹を奪われる悲哀に似たものがその顔に浮んで見えたということだよ。ことに校長の
媒酌といえば文句もいえぬしね。 一時間ばかり過ぎて、盛装した娘は林檎の食いあま....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
な顔を並べた。 結婚後七日目に作太郎は新妻を連れて妻の実家を訪問したのだった。
媒酌結婚ではあったが彼はその妻もその実家をも愛して居た。 程よい富、程よい名望....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
許して女夫にしましょうぞ。 玉琴 え。では、勘当をお赦しあって……。 玉虫 姉が
媒酌して杯をさせましょう。 玉琴 ありがとうござりまする。 玉虫 まあ、しばらく....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
文界の巨匠である。 ……で、この歌人さんとは、一年前、結婚をしたのでしたが、お
媒酌人も、私どもの――先生です。前から、その縁はあるのですけれども、他家のお嬢さ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
、これが即ち文明であると思っていた。 自然女学校は高砂社をも副業とした。教師が
媒酌人となるは勿論、教師自から生徒を娶る事すら不思議がられず、理想の細君の選択に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の話を思い出します。 ある人が、あるところへ後妻を世話しました。ところが、その
媒酌人のところへ、後妻に世話した女が泣き込んで来ました。 その
媒酌人はなかなか....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
隠して武家奉公をする。下女下男奉公するものもあれば、娼妓となるものもある。中には
媒酌が立って、立派に百姓と縁組するものすらもあった。かくの如きの事実は、一方に当....