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媒酌人
「媒酌人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
媒酌人の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道草」より 著者:夏目漱石
くの無方針であった。もともと東京へ帰ってから貰《もら》うという約束があったので、
媒酌人《なこうど》もその地にはいなかった。健三は参考のためこの
媒酌人が書いて送っ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
むを得ません。あなたはどうです来てくれますか」
「僕かね、是非行くよ。出来るなら
媒酌人《ばいしゃくにん》たるの栄を得たいくらいのものだ。シャンパンの三々九度や春....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いたが驚いたね。勿論五年級にゃ佳いのが居ると云ったっけが、」 「じゃあその教頭、
媒酌人も遣るんだな。」 と舌尖三分で切附けたが、一向に感じないで、 「遣るさ。....
「家」より 著者:島崎藤村
で失敬します」 という言葉を残して置いて、大島先生は電車から降りた。 「吾儕に
媒酌人をしてくれた先生だったけナア」 こう思って、三吉が見送った時は、酒の香に....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
感ぜざるを得なかった。 青楓氏が今の夫人と法律上の結婚をされる際、その形式上の
媒酌人となったのは、私達夫妻であるが、私はそれを何程の事とも思っていなかった。と....
「雷」より 著者:海野十三
いっとる?」 「どういっとるも、こういっとるもない。高村町長はお里と英三の婚礼の
媒酌人じゃ。四郎の前に出るには、ひょっとこのお面でも被ってでなければ出られまい」....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
さえも、又個の真の面目さえも、見出せなくなるわけだ。つまり種は個と類との媒介者、
媒酌人なのである。
処でこの論理学的なカテゴリーとしての種が、何故生物学乃至社....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
私は体が悪くって二年越この田舎へ来ていたんだ。あの人は、私が世話になってる叔父が
媒酌人で結婚をしたんだろう。大して懇意ではないが見知越でいたのだった。 ちょう....
「嬰寧」より 著者:田中貢太郎
れがために家中の婦が皆ふきだした。 呉はその不思議を見きわめて、異状がなければ
媒酌人になろうといって、西南の山の中の村へ尋ねていった。そこには家も庭もまったく....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
三枝未亡人がこの娘の話を聞くと、意外に感じたことは道理なこと。これはまず何より
媒酌人の東雲さんに話すが好かろう。この嫁入り前より何か他に思い込んだ婦人でもある....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
文界の巨匠である。 ……で、この歌人さんとは、一年前、結婚をしたのでしたが、お
媒酌人も、私どもの――先生です。前から、その縁はあるのですけれども、他家のお嬢さ....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
、これが即ち文明であると思っていた。 自然女学校は高砂社をも副業とした。教師が
媒酌人となるは勿論、教師自から生徒を娶る事すら不思議がられず、理想の細君の選択に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の話を思い出します。 ある人が、あるところへ後妻を世話しました。ところが、その
媒酌人のところへ、後妻に世話した女が泣き込んで来ました。 その
媒酌人はなかなか....
「それから」より 著者:夏目漱石
してその間に立ったものは代助であった。尤《もっと》も表向きは郷里の先輩を頼んで、
媒酌人として式に連なって貰《もら》ったのだが、身体を動かして、三千代の方を纏《ま....