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嫁く
「嫁く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫁くの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
なく、無意識か、はた、意識してか、知らず、しかくあらしめたものである。 青麟に
嫁く一言や、直ちに霹靂であった。あたかもこの時の糸七に、屋の内八方、耳も目も、さ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
も、畑の薄も、薄に交る紅の木の葉も、紫|籠めた野末の霧も、霧を刷いた山々も、皆|
嫁く人の背景であった。迎うるごとく、送るがごとく、窓に燃るがごとく見え初めた妙義....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ればなるまいから、証書も何も要る話じゃアない、どうせ此の女が金を持って貴公の処へ
嫁くのじゃアないか、強いて分らん事を云えば公然に為ようか」 治「へえ、成程……詰....
「家」より 著者:島崎藤村
正太夫婦なぞが起きていて、疲れた親子を横に成らせた。お倉は、遠い旅にある夫、他へ
嫁く約束の娘、と順に考えて、寝ても寝られないという風であった。心細そうに、お俊の....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
、こんなに可愛らしい美しい娘がいったいなぜあんなに年の違う面白くもない紳士の所へ
嫁くのだろう、と考えているように思えてならなかった。まだ朝のうちは、万事これでう....
「桜の園」より 著者:神西清
…(退場) ガーエフ 下司め。いやこれは、ごめん。……ワーリャはあの男のところへ
嫁くんだっけな、あれはワーリャのムコさんだ。 ワーリャ おじさん、余計なこと言わ....
「雪の日」より 著者:近松秋江
身を固めようと思っていた矢先だったから、それほどにいうものならと、ついあんな処へ
嫁くようになったんです。けれどもその時は、何もこっちから思ったんじゃない。私の思....
「頸飾り」より 著者:辻潤
るというようなことは夢にもありはしない。とかくして、彼女はある官庁の小役人の処に
嫁くこととなった。 華美に衣飾ることなど出来ようはずがない。で彼女は仕方なく質....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
なきゃア仕方がないじゃないか。それよりもばかな事はいい加減に思い切ッてさ、ほかに
嫁く分別が肝心じゃないか、ばかめ」 「何が阿呆かいな? はい、あんた見たいに利口....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
なんです」 「サト子だけのために? 結構でしょうとも……どのみち、あなたところへ
嫁くんだ。どんなに力を入れたって、損にはならないわねえ。三百五十万ドルという、金....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
投げるようにいう。 私は姉が可哀想になった。 「僕が言ってあげようか。姉さんは
嫁くことがいやだって――。」 「そんなこと言っちゃいやよ。本当にいわないで下さい....