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嫁ぐ
「嫁ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫁ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「機関車」より 著者:佐左木俊郎
《かえ》りたいと考えたからである。そこで彼女は、再び以前の職業に戻って、生活費を
嫁ぐ傍らに、肉体の恢復に努めようと計画したのであった。 しかし、彼女は再びその....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
聞こえて来た、牡鶏が村から村に時鳴を啼き交すように。 今日こそは出家して基督に
嫁ぐべき日だ。その朝の浅い眠りを覚ました不思議な夢も、思い入った心には神の御告げ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
自分はもうどこへも嫁きたくないと言い出したのは、その時からである。けれども、女は
嫁ぐべきもの、とは半蔵が継母おまんの強い意見で、年ごろの娘がいつまで父に仕えられ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れたらしく、とうとう両親の勧めに任せて、幕府へ出仕している、ある歴々の武士の許へ
嫁ぐことになりました。それは敦子さまがたしか二十四|歳の時でございました。 縁....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
がないのが普通と思わねばならぬ。社会的地位のある男子にならそれほど好きでなくとも
嫁ぐというような傾向は娘の恥である。しかしいくら恋愛結婚でも二、三年は交際してか....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
い方法ではある。帰る家があるというのは一生の救いかも知れない。二度と帰らぬ覚悟で
嫁ぐという精神は、そもそも幸福を約束する出発ではない。特にそれを強いられでは、特....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
わが弟と思ってはいかぬと云うのである。すべて長男は家をつぐものであり、女は他家へ
嫁ぐ身であるから、姉といえども長男を弟と見てはならぬ。その名を呼ぶにも文彦様と敬....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
秘密なのじゃ。 そもじの母のドラは、ベーリングの従妹とか言うたが、ステツレルに
嫁ぐまえ、ベーリングと懇ろにしおったのであろう。そのとき、妊ったのがそもじで、そ....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
夫ジーグフリードの幻を、胸に抱きしめて、クリームヒルトは匈牙利王エッツェルの許に
嫁ぐ。そして、十七年後に復讐を遂げるのだが、それには船長を片時も忘れられず、八住....
「火の扉」より 著者:岸田国士
たしか、おれはお前をもらうについて、こういうふうに念をおしたはずだ――軍人の家へ
嫁ぐ女の覚悟はできているだろうな。軍人は自分の意志が自分の意志ではなく、自分のか....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ば、通夜の籠堂に居合せた女性であろう。小紋の小袖に丸帯と思えば、寺には、よき人の
嫁ぐならいがある。――あとで思うとそれも朧である。あの、幻の道具屋の、綺麗な婦の....
「昔尊く」より 著者:上村松園
焼け残ったお茶々の壺を抱いて移転したわけです。 その年の暮、ただ一人の私の姉は
嫁ぐことになりまして、何かとそれまで我儘に暮しました私は、母と二人きりになったの....
「想い出」より 著者:上村松園
が初めて東京へ行きましたのは、三十二か三の時分で、平和博覧会に、鏑木清方さんが〈
嫁ぐ日〉を描かれたのを拝見する為に上京したのが初めてでございます。近頃でも、静か....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
たら個人を堅固に保護してくれて、
その新設せられた社会では、
平和と正義とが相|
嫁ぐだろう」と云うのです。
ファウスト
坊主でも言いそうな事だな。
....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
家庭生活となるか知れません。 ハムレットは、叔父に父を殺され、殺した叔父に母は
嫁ぐ。自分はその叔父すなわち彼の恋人の父を殺さねばならない。しかも恋人はそのため....