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嫁入り
「嫁入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫁入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
身を堅めて地道《じみち》に暮らさなければ母の名誉をけがす事になる。妹だって裸でお
嫁入りもできまいといわれれば、わたし立派《りっぱ》に木村の妻になって御覧にいれま....
「或る女」より 著者:有島武郎
になったのもそのためだったのだけれどもね、もともと木村さんは私のように一度先にお
嫁入りした人をもらうような方《かた》ではなかったんだしするから、ほんとうはわたし....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
の裏は広い田圃だった。そして雨のしょぼしょぼと降る晩には、遠くの向うの方に、狐の
嫁入りというのが見えた。 提灯のようなあかりが、一つ二つ、三つ四つずつ、あちこ....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
は言訳をするんじゃありませんけれど、そんな気なのではありません。一生涯|他へはお
嫁入りをしない覚悟、私は尼になった気です。……(涙ぐみつつ)もう、今からは怪我に....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
で人形の花嫁のようであった。ミチミは寝棺のなかに入って、これから旅立つ華やかなお
嫁入りを悦ぶものの如く、口辺に薄笑さえ湛えているのであった。 杜は惚れ惚れと、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
というもの、綺麗に美しく、細々とかいた、文が来ました。 しまいへ、紅で、 ――
嫁入りの果敢なさを唄いしが唄の中にも沢山におわしまし候―― と、だけ記してあり....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
さしたが、 「はははは、私ぐらいの年の婆さまじゃ、お目出たい事いの。位牌になって
嫁入りにござらっしゃる、南無妙。戸は閉めてきたがの、開けさっしゃりませ、掛金も何....
「橋」より 著者:池谷信三郎
わらったら、私はいっそあの皺枯れ声に、 あたしゃね、おっかさんがね、 お
嫁入りにやるんだとさ、 と、おぼえさせようとおもっています。 12 ....
「香水紳士」より 著者:大阪圭吉
姉の信子さんがいる。信子さんは、クルミさんより五つ年上の二十一で、この月の末にお
嫁入りするのである。クルミさんは、日曜日を利用して、娘時代の信子さんへの、お別れ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ざいます。処女時代に受けた私の教育というのは大体そんなもので、馬術は後に三浦家へ
嫁入りしてから習いました。最初私は馬に乗るのが厭でございましたが、良人から『女子....
「眉の記」より 著者:上村松園
伴わないものの多いのは残念である。 せっかく親から享けたあたら眉毛を剃り落し、
嫁入り前の若い身で一たん青眉にし、その上へすすきの葉のようにほそい放物線を描いた....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
たい。母親の生活は又どうにでもしてやると、親元には相当の人を立て、そこから改めて
嫁入り……と、まア、そこまで行かない分が、二千八百石御旗本の御側女になら、今日が....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
方様に……」 「いやいや、それは仮親を立てる法もある。まァその様な事を申さずと、
嫁入り支度に就て、もっとも打解けて語り合おうではないか。さァ、さァ近く……はて、....
「作画について」より 著者:上村松園
、私の祖父が「ちきり屋」という呉服商の支配人をしていた関係から、そこの娘さんがお
嫁入りするについて、 「つうさんは絵を描くし、器用だし、ひとつ着つけその他の世話....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ざかり」は、花嫁とその母とを描いたものでございます。その頃、私の家の本家の娘がお
嫁入りすることになりました。昔のことですから、美容院などというものはなく、髪は髪....