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「嫁入り道具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫁入り道具の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
からなかった。 「なに。てい子のむかしのあれの胸像なんだそうです。たったひとつの嫁入り道具ですよ。キスするのです。」こともなげに笑っていた。 僕はいやな気がし....
胡氏」より 著者:田中貢太郎
胡は帰って往った。 その日がきて夜になると果して輿馬の一行が新婦を送ってきた。嫁入り道具が非常に多くて、室の中に陳べてみると室の中に一ぱいになった。 新婦は....
足迹」より 著者:徳田秋声
ていた。広い通りには折々荷車が通って、燥ぎきった砂がぼこぼこと立った。箪笥や鏡、嫁入り道具一式を売る向いの古い反物屋の前に据えた天水桶に、熱そうな日が赫々と照し....
糸車」より 著者:寺田寅彦
当時でもすっかり深く媒色に染まったいかにも古めかしいものであった。おそらく祖母の嫁入り道具の一つであったかもしれない。あるいはまた曾祖母の使い慣れたのを大切に持....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
れて、道ならざる道へとすべり込む多数の例が歎かわしい。半歳、一年のお茶のお稽古は嫁入り道具という道具の名称と下落し、近頃の猿どもが電車動かして感心さしている程度のものである。....
嫁入り支度」より 著者:神西清
つ、すっかり空っぽですのよ! この調子で行きましたら、うちのマーネチカは、何一つ嫁入り道具がなくなってしまいますわ……」 「あら、ママったら、何をおっしゃるの?....