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嫁入る
「嫁入る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫁入るの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
嫁自身髪結の家から島田で帰って着物を更え、車は贅沢、甲州街道まで歩いてガタ馬車で
嫁入るなぞはまだ好い方だ。足入れと云ってこっそり嫁を呼び、都合の好い時あらためて....
「指紋」より 著者:宮本百合子
。 その写真は、すべての人々に、奇異な印象を与えた。古風な角かくしまでかぶって
嫁入る花嫁や素朴そうな花婿の、指紋をとることにきめたとは、よほど泥棒でも、多勢出....
「花を持てる女」より 著者:堀辰雄
の服装だったようにも思われる。そんな事からして私はこの頃では私の母は父のところへ
嫁入る前は芸者をしていたのではないかと一人でひそかに空想をしているのである。――....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
茶屋哉 菜の花の行きどまりなり法隆寺 躑躅ぬけば石ころ/\と転がるよ 京都へ
嫁入る女子に 暖き加茂の流れも汲み習へ 亡児惟行が記念の帛紗に 為山が藤....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ます。十三四とか部屋のある邸宅に今は若い連中だけいる由。花嫁は妹とともにその妹が
嫁入る迄その家の掃除をしていなければならないから大変です。親戚に誰かかなり偉い司....
「地上」より 著者:島田清次郎
います。しかし、わたしは、平一郎さま、おゆるし下さいまし、母の言葉に従って他所へ
嫁入るのです。わたしを思う存分に憎しみなすって下さいまし。わたしはあの去年の秋の....
「晩春」より 著者:岡本かの子
があるのかさえ彼女は識別しようともしなかったが……鈴子は二十歳を三つ過ぎてもまだ
嫁入るべき適当な相手が見付からなかった。山の手に家の在る女学校時代の友達から、卒....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
の行来さえとめている。そればかりか、事ごとに鞭や杖で打つので、辛くてたまらない。
嫁入るなり、尼寺へつかわされるなり、ともかくこの苦界からぬけださせるようにしてい....