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「嫁女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫁女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
、福岡の電燈会社の工夫をやっている男で、昨年の春にオシノという高齢の祖母と、若い嫁女のツヤ子を連れて、この町内の現在の家に引越して来た者であるが、夫婦仲は云うま....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ゃから、伜同様に心得る。……半年あまりも留守を守ってさみしく一人で居ることゆえ、嫁女や、そなたも、伜と思うて、つもる話もせいよ、と申して、身じまいをさせて、衣も....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のしたくのことについて、南殿村の稲葉の方からはすでにいろいろと打ち合わせがある。嫁女道中も三日がかりとして、飯田泊まりの日は伝馬町屋。二日目には飯島扇屋泊まり。....
その年」より 著者:宮本百合子
で。手の一つや足の一つないようんなって戻ったって、きっとおっ母さんが恥しゅうない嫁女持たす」 「…………」 「いいか」 「ああ」 云いたいことは詰っていて、両....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
乾し殺して、仇し男と戯れるところ……生んだばかりの私生児を圧殺するたまらなさ……嫁女に濡衣を着せて、首を縊らせる気持よさ……憎い継子を井戸に突落す痛快さなぞ……....
白くれない」より 著者:夢野久作
に打ち任せつゝ年を越えぬ。 かくて兎も角も其夜となり、式ども滞なく相済み、さて嫁女と共に閨に入るに、彼の嫁女奈美殿、屏風の中にひれ伏してシミ/″\と泣き給ふ体....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
俤ゆえに、遠慮した、では私も、」 と言った時、左右へ、敷物を斉しく刎ねた。 「嫁女嫁女、」 と源三郎、二声呼んで、 「お三重さんか、私は嫁と思うぞ。喜多八....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
いなさい。」 「へえ? どうもそれは、ちと腑《ふ》におちませんが――」 彼女の嫁女《よめじょ》がそばから吹出していった。 「それはね、家で売った飯櫃《おはち》....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
さんとおばあさんは、美妙の復活を見ると、あの輝かしかった天才息子を、大切な孫を、嫁女《よめじょ》が奪ってしまって、しかも、肩をならべて文学者|面《づら》をするの....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
く。) おくみ『黙っていなさるは心がかり。早う教えて下さりませ』 源右衛門『これ嫁女、源兵衛はな』 おくみ『源兵衛さんは?』 源右衛門『それ、そこじゃ』(顎にて....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ろついた。窓へ寄って外をながめる。また次の窓へ寄ってみる。そのうち、ふと見ると、嫁女の部屋の窓の下を柱づたいに、こっそりあたりを憚りながら、若い衆セルゲイの赤シ....
山吹」より 著者:泉鏡花
だ。――南無大師、遍照金剛ッ! 道の左右は人間の黒山だ。お捻の雨が降る。……村の嫁女は振袖で拝みに出る。独鈷の湯からは婆様が裸体で飛出す――あははは、やれさてこ....
白い光と上野の鐘」より 著者:沼田一雅
送って、そして名の知れない重い枕に就《つ》いた。おばアさんの言うには、これは皆|嫁女《よめじょ》のなさしむるところだと怨《うら》んで死んだ。 このおばアさんが....
山の人生」より 著者:柳田国男
かその草履も板縁も、濡れているなどと噂せられた。この家のは娘でなくて、近く迎えた嫁女であった。精密な記憶が家に伝わっており、いつのころよりか不滅院量外保寿大姉と....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
成立つや否や、先方の家にちゃんと現在のオカタが君臨しているにもかかわらず、すぐに嫁女を送りつけてしまう形式である。その結果としては、妻ではあるが刀自でない者、オ....