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嫌々
「嫌々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫌々の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
せ》き立てるのです。
ですから私も仕方がなく、しばらくの間は友人たちを相手に、
嫌々《いやいや》骨牌《かるた》をしていました。が、どういうものか、その夜に限って....
「竜」より 著者:芥川竜之介
かけるのでございます。そこでこちらも柱の根がたに坐ってばかりは居られませんので、
嫌々腰を擡《もた》げて見ますと、ここにも揉烏帽子《もみえぼし》や侍烏帽子《さむら....
「乱世」より 著者:菊池寛
口には出さないが、下士たちの絶対恭順論に心を傾けずにはいなかった。神籤のために、
嫌々ながら、東下論に従っていた恭順論者は、再び自説を主張し始めた。かくて、一藩は....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
きせぬのをとりよせ、丸煮の鍋に白い腹を出してるのを見て、俄にげんなりしてしまい、
嫌々むしって喰べる連中、近来は大分多くなったと、内々嗤ってる手あいがある。 浅....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
った所だ。』 アンドレイ、エヒミチは例の気質で、それでもとは云い兼ね、遂にまた
嫌々ながらワルシャワにも行った。そこでも彼は宿から出ずに、終日相変らず長椅子の上....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
食店の主人へ、この付近にピアノの稽古《けいこ》を受けそうな人はいないだろうかと、
嫌々《いやいや》ながらも思い切って尋ねてみた。主人は日に一度しか食事をせずにドイ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とを楯《たて》にとった。天才だとほめてくれる者を追い出す法はない! クリストフは
嫌々《いやいや》ながらも、崇拝者の感激の言葉を聞いてやらざるを得なかった。彼は天....
「女客一週間」より 著者:豊島与志雄
でやれば、価値がある。女中の仕事にも、家庭的に考えれば、しみじみとした味がある。
嫌々ながらやれば、どんなことでも駄目になる。楽しんで働くことだ。心から働くことだ....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
いた。 「兼々、家中の噂を存じておろう。然し、わしは、噂によって、噂に押されて、
嫌々ながら、助太刀に出るのでは無い。形は、助太刀であるが、心は、荒木又右衛門なる....
「随筆銭形平次」より 著者:野村胡堂
らぬ因縁というべきである。 もう一つ私は、父親のすすめで法律を学ぶことになり、
嫌々ながら法科大学に籍を置くことになったのであるが、なんとしても法律というものが....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
、せっかく纏りかけた縁談をぶち毀《こわ》されないものでもないと思って、誘われれば
嫌々ながら出かけて行くといったわけあいらしいんです」 火明り....
「魔都」より 著者:久生十蘭
へ歩き出す。
局長はあわてて呼び止め、
「まア、待ちたまえ、幸田君」
幸田は
嫌々そうに振向いて、
「まだ、何か御用ですか」
局長はハンカチで額の汗を拭いな....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
つかしてくれれば、オオ嬉しい! だ」 ――朱実は不平を顔に漲らせて、家の内へ、
嫌々駈けこんでしまった。 それと共に、お甲の顔もかくれた。――城太郎は閉まった....