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嫌らしい
「嫌らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫌らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
繃帯を除《と》らぬとも限らないのである。そうしたら、完全に犯罪を遂行する――あの
嫌らしい呼吸や、血に触れることなくなし了せる機会は、永遠に去ってしまうに相違ない....
「如是我聞」より 著者:太宰治
、あれはきたならしいやつですから、相手になさらぬように、(笑声)それなのに、その
嫌らしい、(直哉の曰く、僕にはどうもいい点が見つからないね)その四十歳の作家が、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
香の香水で、追かけ追かけ香わせてある持物を取出して、気になるほど爪の伸びた、湯が
嫌らしい手に短い延の銀|煙管、何か目出度い薄っぺらな彫のあるのを控えながら、先ず....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
から後も落し坑には精々落ちた方がいいと思って、にやりとした。 丿観は、客が上機
嫌らしいのを見て、すっかり自分の計画が当ったのだと考えて、いい心持になっていた。....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
飾りの一つとなっている場合が西洋では多い、日本では昼の日中に寝床を見ては如何にも
嫌らしい、そこで西洋室に住む画家はいいとして、日本の長屋の二階、六畳において裸婦....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ている。かえって私は純日本的な日本髷の裸女と背景が一〇〇号の力作で現れたらむしろ
嫌らしいと思う。臥裸婦というわけのわからぬ名題によって、船底枕に友禅の掛布団、枕....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
式、其の将監さまの小厮であったおまえが、わたしをとらえて、なんと云うことだ、ああ
嫌らしい」 「おまえだって、こんな処へ来る世の中じゃないか、そんな事を云うものじ....
「常識」より 著者:豊島与志雄
でに生長して、恋愛にまでなってくる。ここの、みよちゃんにだって聞いてみれば分る。
嫌らしいとか憎らしいとかいう気持は、すぐに消えてなくなるものだが、好きだという気....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
ることも出来なかったそうです。するとその男は、清さんに抱きついて、さんざん勝手な
嫌らしいことをして、しばらくして出て行きました。その男が、杉山さんだったのです。....
「渡舟場」より 著者:豊島与志雄
た。元彦はあたりを見廻しました。仄白い水の肌がゆったりと波動していました。なにか
嫌らしい感じがありました。嫌らしく、そして空漠として、掴みどころがありませんでし....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
泉君といっしょだ。洋服は面倒くさいから、このままでいい。」 なんだが、俄に上機
嫌らしい。富子ははっと肩の荷を下した気持ちになった。 袴をつけ、白足袋をはき、....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
。勘右衛門がそう云って呼び止めたのであった。 と、見て取った手代の京助は、不機
嫌らしい顔をしたが、不精々々に挨拶をした。 「へい、これは旦那様で。ちょっと出か....
「桜の園」より 著者:神西清
こと返事してくださればいいんです。たった一言! ラネーフスカヤ 誰だろう、ここで
嫌らしい葉巻をふかすのは! (腰をおろす) ガーエフ 鉄道が敷けてから、便利にな....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
友だちもなく、財産らしいものもないことは知っていた。のみならず、おそろしく畸形な
嫌らしい姿を与えられていて、人間と同じ性質のものでさえもなかった。わたしは人間よ....
「料理と食器」より 著者:北大路魯山人
いうまでもなく、新聞紙の上に載せられたカレーライスがいかにも醜悪なものに思われ、
嫌らしい連想などが浮かぶからである。カレーライスそのものだけなら、これをきれいな....