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「嫌味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫌味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
がひろく、からだの自由が利き、黒いかみの毛は短くちぢれていて、顔つきは武骨だが、嫌味はなく、道化たような、高慢なような風采をしていた。ヘラクレスのような体格と物....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ながら、あちらの御新造はまた上《あが》ろうともなさらず、悪丁寧《わるでいねい》な嫌味《いやみ》のありったけを並べて御出でなさる始末《しまつ》なんです。 「そりゃ....
ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
ものではない。悪く云えば、出たらめで、善く云えば喜撰《きせん》でも踊られるより、嫌味がないと云うだけである。もっともこれは、当人も心得ていると見えて、しらふの時....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
も好いだろう、相見互だもの、己等の付合も為てくれたって、好さそうなもんだ」など、嫌味を言って、強請がましいことを、愚図々々言ってますのです。私も顔を知らない中で....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、図に乗ってもう一つ狐蕎麦を誂えた。」 「上州のお客にはちょうど可いわね。」 「嫌味を云うなよ。……でも、お前は先から麺類を断ってる事を知ってるから、てんのぬき....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
たの胸の裡を見|透したように、あの女のお腹んなかも破ったように知っとるで、つい、嫌味なことを言うたもの。 あんたがそうした心なら、あの女が何、どうしていようと....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
男と限らないでも二葉亭は小説家型ではなかった。文人風の洒脱な風流|気も通人気取の嫌味な肌合もなかった。が、同時に政治家型の辺幅や衒気や倨傲やニコポンは薬にしたく....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
愛するのは宜い。然し、逸作達が批判的に見る世の子供達は一見|可愛らしい形態をした嫌味な悪どい、無教養な粗暴な、而かもやり切れない存在だ。 ――でもパパは、童女....
河明り」より 著者:岡本かの子
も本能的で切実なものであるのに私の心は動された。朗吟も旧式だが誇張的のまま素朴で嫌味はなかった。 親しき息は海に通い ささやきは胸に通い―――― 壁虎が鳴く、....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、僕に湖畔の一人の女性が、うやうやしくそれを捧げていいます」 復一は自分ながら嫌味な書きぶりだと思ったが仕方がなかった。そして事実はわずかの間で打ち切った秀江....
高原の太陽」より 著者:岡本かの子
「素焼の壺と素焼の壺とただ並んでるようなあっさりして嫌味のない男女の交際というものはないでしょうか」と青年は云った。 本郷帝国大学....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
言葉少なの父娘だった。わけて感情を口に出すのを敬蔵は絶対に避けた。そういうことは嫌味として旧東京の老人はついにそれに対する素直な表現欲を失っていた。感情の表現に....
」より 著者:岡本かの子
もよは湊が中指に嵌めている古代|埃及の甲虫のついている銀の指輪さえそういうときは嫌味に見えた。 湊の対応ぶりに有頂天になった相手客が、なお繰り返して湊に盃をさ....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
うな好古家の古典的な家庭の空気を吸って来たものに取っては、生々しくて、或る程度の嫌味にさえ感じた。ただ歴史の事柄を通しては、こういう風にたまには語り合うことはあ....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
淀嶋新吉は滞在邦人の中でも追放人の方である。だが自分でそう呼ぶことすらもう月並の嫌味を感じるくらい巴里の水になずんでしまった。いわゆる「川向う」の流行の繁華区域....