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「嫡男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫡男の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
長篠合戦」より 著者:菊池寛
くや、信長(此時四十二歳)自らは柴田勝家を従えて、設楽村極楽寺山に本陣を据えた。嫡男信忠(年十九)は河尻秀隆を従えて、矢部村勅養寺附近の天神山に、次男北畠信雄は....
島原の乱」より 著者:菊池寛
松平信綱謀戦之事 松平伊豆守信綱(此時四十二)が、改めて征討の正使として、嫡男甲斐守輝綱(此時十八)以下従士千三百を率いて西下したのは、寛永十四年|極月二....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
い。慈悲深い法然様や貞淑な玉日や、かいがいしいお兼さんや―― 唯円 あの孝行な御嫡男の範意さまや。 親鸞 (目をつむる)みんな今は美しい仏様になっていられるだろ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
のほとりに持ち、昔は高利も貸しけるが、今はもっぱら陸軍その他官省の請負を業とし、嫡男を米国ボストンの商業学校に入れて、女お豊はつい先ごろまで華族女学校に通わしつ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、久しく客となっておりますうち、百家の流派を研精し、一派を編み出し竹林派と申す。嫡男新三郎水没し、次男弥蔵|出藍の誉れあり、江州佐和山石田三成に仕え、乱後身を避....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
姫』とは何人か? 本文をお読みになれば判る通り、この女性こそは相州三浦新井城主の嫡男荒次郎義光の奥方として相当世に知られている人なのであります。その頃三浦一|族....
飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
ヒダへ逃げこんで戦って亡されました。それが大友皇子にも当るし、聖徳太子か、太子の嫡男たる山代王にも当るし、日本武尊にも当る方で、神話中の人物にもその分身はタクサ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
情のようなものが生き残っていて、本家と分家に甚だしい差があり、同じ兄弟でも本家の嫡男たる兄と、分家すべき弟にはすでに雲泥の位の差があること、生れながらにして神た....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
と云い、一子久吉をつれて参れとあるから、志道軒こそは勘当をうけたとは云え、左近の嫡男である。よしんば自分の過去には香しからぬ歴史があっても、一子久吉はまぎれもな....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
筈でしたのですね」 「他家のことですから、そこまでは分りませんが、それはやっぱり嫡男嫡孫ですから、山キの後をつぐ者は清作さんかその子供のお考えでしたろう。実は…....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
向き直ったときには虚妄の自らに化していたというような、即ちこの悲劇的な精神文化の嫡男が悲願の正体であろうと思う。それ自体を分析しても割りきれる代物ではない。そこ....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ース・チモフェーイチの従妹にあたる例の婆さんにまかされた。罪の女の殺された良人の嫡男と認められた以上、この子は今やイズマイロフ家の全財産を相続すべき唯ひとりの人....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
が位に即かれると、西園寺公経が内大臣になり、ついで太政大臣になり、ややおくれて、嫡男実氏が内大臣になった。また良経の弟九条良平が内大臣になり、ついで左大臣に昇り....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
産みました。同じ父君を持ちながら、一方は少壮弁護士として羽振りのよい松波男爵の御嫡男達也様、やがて立派なお家を御相続遊ばされる輝かしいお身柄。一方は生れながら暗....
蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
快に思うかというには理由があるのです。綾子さんは武雄さんの実兄で、御木井男爵家の嫡男文夫さんの妻だった人なのです。しかも二人は相思の仲だったのですもの、その文夫....