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「嫣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

嫣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
ているんだ。するとその女が、――どうしたと思う? 僕の顔をちらりと見るなり、正に然《えんぜん》と一笑《いっしょう》したんだ。おやと思ったが間《ま》に合わない。....
路上」より 著者:芥川竜之介
でも飲んで行きませんか。」 「難有《ありがと》うございますけれど――」 初子は然《えんぜん》と笑いながら、もう一度眼を格子の外へやった。 「そうですか。じゃ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
お》をふり向けて見せた。 「君もはいれよ。」 「僕は厭《いや》だ。」 「へん、『然《えんぜん》』がいりゃはいるだろう。」 「莫迦《ばか》を言え。」 「然」と....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
のさ」 「どこで?」 「いい所《とこ》で!」 袖《そで》を掩《おお》いて白糸は然《えんぜん》一笑せり。 馭者は深く思案に暮れたりしが、ようよう傾けし首《こ....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
忠直卿は思った。この女も、自分に愛があるというわけでは少しもないのだ。この女の然《えんぜん》たる姿態や、妖艶な媚は皆|上部《うわべ》ばかりの技巧なのだ。ただ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た。 「まさかに、拙者をおなぶりなすったのではござりますまいな」 すると、女が然《えんぜん》と目で笑いながら、とたんにきゅっと右門の手首のあたりをでもつねっ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ます。お尋ねはにせ金のことかなんかでございましょうかしら?」 おどろく色もなく然《えんぜん》と笑って、流るる水のごとくなめらかに取りなしました。 「なんのお....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ちに興が移らないのか、ジャカジャカチンチンと下座のおはやしが始まるといっしょに、然《えんぜん》として右門主従三名のほうへ媚《こ》びの笑いを投げかけながら、妖々....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
極って居る、所が篤と見て居る中に其の影が段々大きくなり、遂に本統の美人と為って、然《にっこり》と一笑したが、読者よ、何うであろう、其の美人は擬《まご》う方も無....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
持って来たって、辻番が違うぜ」と、半七はからかうように相手の顔をのぞくと、お浪は然ともしなかった。 「いいえ、お前さん。そんなどころじゃないんですとさ」と、お....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、花を庇って膝をついて、 「厭ですよ、私が活けたのが台なしになります。」 と然として一笑する。 「だって、だって君、突込んであるんじゃないか、池の坊も遠州....
天馬」より 著者:金史良
ジョルジュ・サンドとして又僕のリーベとして……」 「…………」詩人は目をつぶって然《えんぜん》と笑った。彼女はいよいよ若い大学生と待ち合わせていることをすっか....
黒百合」より 著者:泉鏡花
美子はこういって、猶予って四辺を見たが、手をその頬の辺へ齎らして唇を指に触れて、然として微笑むと斉しく、指環を抜き取った。玉の透通って紅い、金色の燦たるのをつ....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
は決して二度と足踏は為ませんよ。」と、市郎は潔よく答えた。が、何を思い出したか、然笑いながら、「それでも忠一君は彼の女に思惑でも有ったと見えて、頻に戯って騒い....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
れた。あたりに人ありとも知らぬ乙女は、水の上をするすると渉りながら岸に近付いて、然と笑みつつやおら花咲く原に歩を移さんとした刹那、不意の人影に驚いて振り返りさ....