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嫻
「嫻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嫻の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
は姉から聞いていたが、逢ってみると、芸事の稽古《けいこ》などをした故《せい》か、
嫻《しとや》かな落着いた女で、生際《はえぎわ》の富士形になった額が狭く、切《きれ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
い》な迷亭君が云った。「カーライルが始めて女皇《じょこう》に謁した時、宮廷の礼に
嫻《なら》わぬ変物《へんぶつ》の事だから、先生突然どうですと云いながら、どさりと....
「縮図」より 著者:徳田秋声
二日ばかり帰らぬ松島を迎えに行き、小菊に逢ったこともあったが、逢ってみると挨拶が
嫻やかなので、印象は悪くなかった。それに本人に逢ってみると、自分の気持もいくらか....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
を充たすために、力めて話をしかけた。そこへ真白に塗った小夜子が、絵羽の羽織を着て
嫻やかに入って来た。そして入口のところに坐った。 「梢さんでしょう。」 小夜子....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ向いて正面を切りました。 「これは御支配の駒井殿、お言葉ながら拙者は元来、礼に
嫻《なら》わぬ男、ついついお気に触《さわ》るようなことを申さぬとも限らぬ、これと....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
一つであり、文武天皇様の大宝元年に唐に使いした栗田真人が学を好み文に好く、応待に
嫻い、いかにも文化人の粋を為しているのを見「吾久しく東海に君子国ありて、人民豊楽....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
目の茶室に入りこみ、鼻突き合わすまで上人に近づき坐りて黙々と一礼する態は、礼儀に
嫻わねど充分に偽飾なき情の真実をあらわし、幾たびかすぐにも云い出でんとしてなお開....