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嬉しがらせ
「嬉しがらせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬉しがらせの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
す。いや、口には云われないくらい美しいと思っているのです。
小町 まあ、あんな
嬉しがらせばっかり! あなたこそ黄泉には似合わない、美しいかたではありませんか?....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
》して頂戴よ」 こころやすだてから出たこの御言葉は、言うに言われぬほど男の心を
嬉しがらせたようでした。男は一寸舌なめずりをして、酒に乾いた口唇を動かしながら、....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
とについていい加減のうそを並べ、うすのろだとか二本棒だとか、焼き餅やきだとかいう
嬉しがらせを言って、青木の機嫌を取っているのではないかとも思われた。どうせ吉弥が....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ることができず、身の皮を剥ぎ酷工面しても、月々のものは自身で軒別配って歩き、人を
嬉しがらせていたという、芝居じみた人情も、そのころにはあり得たのであった。 永....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い》の長いとかいうような見物心理の圧制から解放されて、気の短い、頭の正直な見物を
嬉しがらせたことは非常なものです。 演技で酔わされた人が、ホッと我に返ると、 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うの方へ加勢が出た」 その加勢は幸いに無勢《ぶぜい》の方へ出たのだから、見物を
嬉しがらせました。一人でさえ、かなりの振舞をしているところへ、また一人、同じよう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》がおれば、太夫さんのために面白おかしく芸当の前触れをして看客《かんきゃく》を
嬉しがらせるだろうけれど、米友にはさっぱり後見が附いていません。太夫自身にも、見....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
お玉はこのおばあさんを担ぐつもりずらに」 とおげんは笑って、あまりに突然な姪の
嬉しがらせを信じなかった。 しかし、お玉が迎えに来たことは、どうやら本当らしか....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
しか来ない。奥さんは美人だなア、とか、教養が高くて僕の始めての驚異の女性だなどゝ
嬉しがらせを言つて帰る。然しどうもお酒を安く飲ませて貰う御義理の御返礼といふ感じ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
か」 「そうだ。それともお前さんのくるのを知って、念入りの化粧ッてところか」 「
嬉しがらせは殺生でげす。――おっと姐さん。おせんちゃんはどうしやした」 「唯今ち....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
さえながら友人のところへ押しかけて行き、君、羆をいつ捕ってくるのだい。先日の話は
嬉しがらせの駄法螺だろう。常識で考えてみても分かるが、あの狂暴な羆がちょいとのこ....
「秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
には、征伐を受けること必せりじゃ、などという傍若無人の言辞とは似ても似つかない、
嬉しがらせの辞令を与え、さて、その後から、再度自分の希望のメキシコ通商の斡旋方を....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
んまと一杯ひっかかったと思ったが、米粒と豆の技が美事だったのと、父のことを言って
嬉しがらせようというその心根に好意がもてたので、その場で――ちょうど秋だったので....
「妻」より 著者:神西清
嬉しくなったよ。……そう。」 彼の声音や幸福そうな笑顔で、私の訪問がひどく彼を
嬉しがらせたことがわかった。控え室で百姓女が二人がかりで毛皮外套を脱がせてくれ、....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
はこっちを見ましたが、 『チェッ。噂の主の御来臨だぞ』と低い声で『うんとおだてて
嬉しがらせてやれよ』 友達はあどけない顔をして私の傍にまいり『僕、小母様を、×....