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嬉戯
「嬉戯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬉戯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
き 若人の 心は永久《とわ》に 冷《さ》むるなし 勉《つと》めの日にも
嬉戯《たわむれ》の つどいの日にも 輝きつ 古《ふ》りたる殻は 消ゆるとも....
「冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
んなに日光を恰《たの》しんでいるかが憐《あわ》れなほど理解される。とにかく彼らが
嬉戯《きぎ》するような表情をするのは日なたのなかばかりである。それに彼らは窓が明....
「伸び支度」より 著者:島崎藤村
の友達《ともだち》が先生達《せんせいたち》と縄飛《なわと》びに鞠投《まりな》げに
嬉戯《きぎ》するさまを運動場《うんどうじょう》の隅《すみ》にさびしく眺《なが》め....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
を手繰りたる小児、衝と開いて素知らぬ顔す。 画工、その事には心付かず、立停まりて
嬉戯する小児等を※す。 よく遊んでるな、ああ、羨しい。どうだ。皆、面白いか。 ....
「小春」より 著者:国木田独歩
ぬ。村に近づくにつれて農夫ら多く野にあるを見たり。静けき村なるかな。小児の群れの
嬉戯せるにあいぬ。馬高くいななくを聞きぬ。されど一村寂然たり。われは古き物語の村....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
子供や大人の麦稈帽が点々と散らばっていた。 その河原の上を、月の晩には、昼間の
嬉戯を忘れはてた落付いた散歩をした。静子と綾子とはよく歌をうたった。静子の声は細....
「バラック居住者への言葉」より 著者:豊島与志雄
に於ては、良人は家庭外の仕事のために、妻は家政の煩わしさのために、子は自由勝手な
嬉戯のために、別々の方へ心を向けがちだったであろうが、バラックの狭苦しい板囲いの....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
うことを、私は一体誰と一緒になしたのか。私を甘やかしてくれた父母や大人たち、私が
嬉戯した友人たち、それらの人々の印象は、今は朧ろにぼやけている。その代りに、山の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。が彼女は人の心のさまざまな狂愚を理解していた。ジューシエの嫉妬《しっと》をも
嬉戯《きぎ》を欲する「青春」をも等しく理解していた。少しばかりのやさしい言葉で、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さしい娘らの声がわき上がってくる。喜びの巣は開かれて、各自に蜜をもたらしてくる。
嬉戯《きぎ》し、呼びかわし、いっしょにかたまり、走り出す。きれいなまっ白な小さな....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てみるがよい。
要するに、そして一言に概括すれば、浮浪少年とは不幸なるがゆえに
嬉戯《きぎ》する一個の人物である。
十 ここにパリーあり、ここに人あり
な....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
寂寞であり、彼女にとっては自由であった。そこで彼女は再び少女に戻り、走り回ったり
嬉戯《きぎ》したりまでして、帽子をぬぎ、それをジャン・ヴァルジャンの膝《ひざ》の....
「環礁」より 著者:中島敦
薄|翡翠《ひすい》色の夢のような世界の中で、細鱗を閃《ひらめ》かせつつ無心に游優
嬉戯しているのである。殊に驚くべきは、碧《あお》い珊瑚礁《リーフ》魚よりも更に幾....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
事もあろうに淫卑《いんぴ》な安芸者と醜悪な老爺《ろうや》と、三人|互《たがい》に
嬉戯《きぎ》して慚《はじ》る処を知らない。清岡は自分の経験と観察とのいかに浅薄で....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
ぎ沓作りを職としたもので、聖人も少年の時には、自らお手のものの獣皮で鼓を張って、
嬉戯にも軍陣の真似をなされたのだとか、日蓮宗に団扇太鼓を打って題目を唱えるについ....