嬌笑[語句情報] »
嬌笑
「嬌笑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬌笑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
る。いやな顔をしてきわめてゆっくりかぶりを振るのもある。それからまたにこにこと愛
嬌笑いをしてもう十銭やってくださいといいながらドアに手をかけてインヴァイトするの....
「モスクワ印象記」より 著者:宮本百合子
れた壁を眺め、その文句のあるものを説明され、働いている人々に向って外国女らしい愛
嬌笑いをして見せたところで、それは何を意味するであろうか?「なるほど、ロシアには....
「マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
の合奏する巨額な金の集散、そのおこぼれにあずからんとする小人の詭計の跳梁、泥酔、
嬌笑に満ち、平日は通俗絵入新聞が地方客に向って撒く文化を糧としつつ、ヴォルガ沿岸....
「春桃」より 著者:宮本百合子
ていた淑貞が、にわかに頭を擡げた瞬間にシャッターがきられている。淑貞の「顔一杯の
嬌笑、それは驚きと喜びと情熱の哄笑です。生々とした眸、むき出された雪白の歯、こう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぼって、むんずと坐を組み、 「オホホホホホホ」 と面《かお》に似気《にげ》ない愛
嬌笑いを試みた時に、霞のように棚曳いていた細い眉と目が、一時にドヨみ渡りました。....
「新しい躾」より 著者:宮本百合子
史の間、過去の日本人が、上から抑えつけられてばかりいた結果、習慣となった卑屈な愛
嬌笑いは、男にも女にも、不用です。 私たちは、そういう日本人であることを、自分....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
女優が交っていたが、その女はかねて顔馴染な Mcadoo 氏を見ると、顔一杯に愛
嬌笑いを見せながら、いち早く歩み寄って来た。そしてきゃしゃな指さきに露の滴るよう....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
の期待に上気して、頬を紅くしている。どの小舟も、そういう女達を満載して、用もない
嬌笑とはしゃいだ歌声が水面を流れる。 〔Pardonnez a` mon bav....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
は何とあってもその「若き日本紳士」を生けどりにしたくてたまらない。出来るだけの愛
嬌笑いを顔に、そのくせ命令的に両手を腰に厳然と私のまえに直立していて動かないのだ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ほるし、どこからともなく出現するこの深夜の雑沓・桟橋の話声・水たまりの星・悪臭・
嬌笑・SHIP・AHOY! この腐ったインクの海は、何かしら異常な事件を呑んで....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
い。な、改まって聞こう」
とのぞきこんだとき、ホホホホ! と蓮葉《はすっぱ》な
嬌笑とともに、栄三郎を振り払ったお艶、こともなげに軽くいい放った。
「あなた、お....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
首尾よく踊らされているのである。盛大があり、零落があり、恋愛があり、欺瞞があり、
嬌笑がある。それらはいわば機智と冷刺との雰囲気の中で、動く塵埃でその塵埃が虹のよ....
「魔像」より 著者:林不忘
たく弟《てい》たりがたい神尾喬之助がふたり、喧嘩渡世の看板に隠れ、知らずのお絃の
嬌笑《きょうしょう》と胆《きも》ッ玉《たま》を仲に、巷《ちまた》の雑踏《ざっとう....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
見舞い申しましょう」 框に足を掛けると、愁《うれ》いを含んだ女の眼にあざやかな
嬌笑《きょうしょう》が流れた。 「さあ、どうぞ――むさくるしいところでお恥ずかし....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
夫人が小豆色のコートをつけて、タオルで頬かぶりの、鼠いろの眼鏡をかけて、ちらと愛
嬌笑いをした。 「や、あなたもいらっしゃるのですか。驚いた。」 「ほほ、えらいで....