嬌艶[語句情報] »
嬌艶
「嬌艶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬌艶の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
板面に、真佐子の白い顔が大きく煙る眼だけをつけてぽっかり現れたり、金魚の鰭だけが
嬌艶な黒斑を振り乱して宙に舞ったり、秀江の肉体の一部が嗜味をそそる食品のように、....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
なく、ただ黙って赤ん坊のように首肯いた。 すると急に秀子は真面目な顔に返った。
嬌艶な色がその眼から消えて、重々しい真面目くさった輝きに変った。 「あなたが貸し....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
雑な巧妙をきわめた筆致で書いていた。フランスの美文体、フランスの優美、フランスの
嬌艶《きょうえん》、フランスの精神――摂政時代の風俗、赤踵《あかかかと》の靴《く....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
思えば、第二章にはアルフォンズとなり、第三章にはギュスターヴとなっていた。貧苦と
嬌艶《きょうえん》とはいけない相談役である。一は不平を言い、他は媚《こ》びる。そ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
トです(訳者注 モリエールの戯曲「人間ぎらい」中の主人公にてセリメーヌはその中の
嬌艶な女)。ところで彼がいかに苦《にが》い顔をしていようと、ヴィーナス(愛の神)....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
が極めて楽しく演ぜられた。モンセーニュールは大概の晩はささやかな晩餐に出かけて、
嬌艶な来会者たちに取巻かれるのであった。モンセーニュールは極めて優雅で極めて多感....
「京都学校の記」より 著者:福沢諭吉
、衣裳を着け、その装《よそおい》潔《きよ》くして華ならず、粗にして汚れず、言語|
嬌艶《きょうえん》、容貌温和、ものいわざる者も臆《おく》する気なく、笑わざるも悦....
「妾宅」より 著者:永井荷風
は、容易に首肯《しゅこう》しないかも知れないが、便所によって下町風な女姿が一層の
嬌艶《きょうえん》を添え得る事は、何も豊国《とよくに》や国貞《くにさだ》の錦絵《....
「三国志」より 著者:吉川英治
説き落したら、おまえたちの望みは、なんでもかなえてやる」 と、云いふくませて、
嬌艶な媚をきそわせたりした。関羽も美人は嫌いでないとみえ、めずらしく大酔して十名....