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嬢
「嬢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嬢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
―そんなことも一時は疑深い彼女の心に影を落した。が、四五日いるうちにそれは全然お
嬢様育ちのお鈴の手落ちだったのを発見した。彼女はこの発見に何か満足に近いものを感....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
「お早うございます。」
「大分《だいぶ》蒸《む》すようになりましたね。」
「お
嬢さんはいかがですか? 御病気のように聞きましたが、……」
「難有《ありがと》う....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
なるものが、一通りの恋愛とは事変って、随分《ずいぶん》彼の気に入っているような令
嬢が現れても、『どうもまだ僕の心もちには、不純な所があるようだから。』などと云っ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
り我々のように行なっていると思いますがね。あなたは令息が女中に惚《ほ》れたり、令
嬢が運転手に惚れたりするのはなんのためだと思っているのです? あれは皆無意識的に....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
ると、茂作の介抱をしていた年輩の女中が、そっと次の間の襖《ふすま》を開けて、「御
嬢様ちょいと御隠居様を御起し下さいまし。」と、慌《あわ》てたような声で云いました....
「葱」より 著者:芥川竜之介
》いの中に大理石を畳んだ宮殿では、今やミスタア・ダグラス・フェアバンクスと森律子
嬢《もりりつこじょう》との舞踏が、いよいよ佳境に入ろうとしているらしい。……
....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
汽車の煤煙の匂は何人《なんびと》も嗅《か》ぎたいと思うはずはない。けれどもあるお
嬢さんの記憶、――五六年|前《まえ》に顔を合せたあるお
嬢さんの記憶などはあの匂を....
「白」より 著者:芥川竜之介
て来れば、罠《わな》にかかる心配はありません。おまけに青あおした芝生には、幸いお
嬢さんや坊ちゃんもボオル投げをして遊んでいます。それを見た白の嬉しさは何と云えば....
「少年」より 著者:芥川竜之介
まわした。が、生憎《あいにく》どちら側にも空《あ》いている席は一つもない。
「お
嬢さん。ここへおかけなさい。」
宣教師は太い腰を起した。言葉はいかにも手に入っ....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
、秋山図の霊妙を話してから、残念そうにこう言ったものです。
「あの黄一峯は公孫大
嬢《こうそんたいじょう》の剣器《けんき》のようなものでしたよ。筆墨はあっても、筆....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
たね子は夫《おっと》の先輩に当るある実業家の令
嬢の結婚|披露式《ひろうしき》の通知を貰った時、ちょうど勤め先へ出かかった夫にこ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ついで》につけ加えれば、半三郎の家庭生活の通りである。
半三郎は二年前にある令
嬢と結婚した。令
嬢の名前は常子《つねこ》である。これも生憎《あいにく》恋愛結婚で....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
え?」 婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。 「私の主人の御
嬢さんが、去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
すらと出るようになる。 「決して他人の言うてくれる批評を疑うな。」 姪のライド
嬢はしばらくファラデーの所に厄介になっていたが、その話に、「マルガース君はいつも....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ま。何でございますの、この指環は――。子供の髪の毛のようでございますわね」 老
嬢は面をあかく染めた。と思うとその顔はさッと蒼ざめた。それから顫えを帯びた声で云....