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子供心
「子供心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子供心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
粋的《こくすいてき》省略法に従ったのです。)薬種問屋《やくしゅどいや》の若主人は
子供心にも大砲《おおづつ》よりは大きいと思ったと言うことです。同時にまた顔は稲川....
「老年」より 著者:芥川竜之介
今ではこの料理屋に引きとられて、楽隠居の身の上になっている。中洲の大将の話では、
子供心にも忘れないのは、その頃盛りだった房さんが、神田祭の晩|肌守《はだまも》り....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ら、お小遣いヨ」と貰う金も、十七八の少女には余りに多すぎる嵩でした。梅子は純真な
子供心の向うままに、好きなことをやっているうちに、とうとう不良になっちまったんで....
「蠅男」より 著者:海野十三
台の少女と一緒に唱歌を歌ったり、それからまた溜息をついたりしたものである。荘六は
子供心に、書生が一向休憩していないのに憤慨して、ヨオお小用が出たいだの、ヨオ蜜柑....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
れを繞って飾られている火薬に、朱書された花火という字が茫然と浮出している情景は、
子供心に忘れられない記憶の一つで、暗いものの標語に花火屋の行燈というが、全くその....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
が七個に区画されたので覗くと、七人のそうした姿の男が縦横に馳せ廻るように見えて、
子供心にもちょっと恐ろしいような感じがしたのを覚えている。 その頃の上野には御....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
。「すこぶる非常に」という言葉をいやになるほどたくさん使用したのを覚えているが、
子供心にもこれはわるい趣味だと思つた。 それからのちに「ジゴマ」の本を読み、ポ....
「あのころ」より 著者:上村松園
びに行ったときのこと、そこの町内に絵草紙店があって、なかなかいい絵があるのです。
子供心にほしくてほしくてたまらなかったが、親類の人に遠慮して言い出せずもじもじし....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
やり」 私は動かなくなった金魚を掌にのせて当惑しながら、母の言葉にうなずいた。
子供心に死んだ金魚を庭の一隅に埋めて小さな石のお墓をたてて母にその仕末を報告した....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
「四季美人図」を描いた気持ちというのも同じようなもので、十六歳と言えばまだ半分は
子供心であったわけで、あとから考えてもそれほどたいして頭をひねって制作したもので....
「子供の霊」より 著者:岡崎雪声
やがて暫時すると、またそれが奥から出て来て、元のところへ来て、プッと消えた、私は
子供心にも、不思議なものだとは思ったが、その時には決して怖ろしいという様な考は、....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
しも度々買ったことがある。ところが、このおでん屋は私の父に逢うと相互に挨拶する。
子供心にも不思議に思って、だんだん聞いて見ると、これは市ヶ谷|辺に屋敷を構えてい....
「想い出」より 著者:上村松園
、商用で長崎などに行きますと、よく皿とか壺とかそういう美術品を買い求めてきた事を
子供心に覚えて居ります。 私は、絵の勉強の傍ら、先に申しました絵の手ほどきの野....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とも二十年も奉公した末がこんなふうなのだから、私には別家もたいしたことはないなと
子供心にも思えてくる。第一私が国からはるばるやってきたのは商売を覚えるためなのに....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
達様」の庭には木犀が一本秋ごとに花を盛っていたものである。僕はその薄甘いにおいを
子供心にも愛していた。あの木犀も震災の時に勿論灰になってしまったことであろう。 ....