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「子別れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

子別れの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
忘れられなくなったのである。自分がこれから生き伸びて行くうちに、必ずあの宗吾郎の子別れの場のような、つらくてかなわない思いをする事が、二度か三度あるに違いないと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
して、それからみんな一緒に帰国するという約束。そこで、第一日の中村座では、宗吾の子別れで泣かされ、宗吾の幽霊で嚇《おど》かされ、無事に見物を済ませたので、二日目....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
「――では、次なる芸当差し替えてご覧に入れまする。楠公《なんこう》父子は桜井の子別れ。右なる雄ぐまは正成《まさしげ》公。左の雌ぐまは小楠公。そら、あのとおり、....
」より 著者:島崎藤村
ことを考えなければ成らないと思っていた。旧い静かな家に住み慣れたお種には、この親子別れ別れに成るということが心細くて、嫁を手離して遣りたくなかった。 「豊世――....
うつり香」より 著者:近松秋江
いた。 「それでもこの間|歌舞伎座の立見につれていってやったら、ちょうど重の井の子別れのところだったが、眼を赤くして涙を流して黙って泣いていた。あれで人情を感じ....
生ける人形」より 著者:寺田寅彦
れがもっとも純化され高調されているように思われるのである。 次の幕は「葛の葉の子別れ」であった。畜生の人間的恩愛を描いたこの悲劇の不思議な世界の不思議な雰囲気....
政治家と家庭」より 著者:太宰治
頭の禿げた善良そうな記者君が何度も来て、書け書け、と頭の汗を拭きながらおっしゃるので、書きます。 佐倉宗五郎子別れの場、という芝居があります。ととさまえのう、と泣いて慕う子を振り切って、宗....
市川九女八」より 著者:長谷川時雨
わむらきくはち》が、お乳《ち》の人《ひと》繁の井をしていて、じねんじょの三吉との子別れに、あんまりよく似ている身の上につまされ、役と自分とのわけめがつかなくなっ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
のあと入れ違いに圓生は高座へ上がった。はじめからしめてかかってシトシトシトシト「子別れ」の中《ちゅう》を演りはじめた。中といえば遊びつづけてかえってきた熊さんが....
初看板」より 著者:正岡容
らいが関の山でさあ。で、その晩の私は充分にまくらをふってこれが三十分、それから「子別れ」の上、中と演ってこれが一時間、まだ下へ入れば二十分や三十分あるのはわかっ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
り》が長袴《ながばかま》の美しさを忘れざるべし。浅倉当五《あさくらとうご》が雪の子別れには窓の格子こそ実《げ》に恩愛の柵《しがらみ》なれ。 学海桜痴両|居士《....