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子器
「子器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
一層改まって、畳二畳半ばかり隔てて父の前に座した。紫檀の盆に九谷の茶器|根来の菓
子器、念入りの客なことは聞かなくとも解る。母も座におって茶を入れ直している。おと....
「蠅男」より 著者:海野十三
、それは実に奇妙な建物だった。よく病院の標本室に入ると、大きな砂糖|壜のような硝
子器の中に、アルコール漬けになって、心臓や肺臓や、ときとすると子宮などという臓器....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
しかるに三日目の翌日、血痰を出したので、あとはとりやめとする。 ひびの入った硝
子器のように、全くなさけない脆弱な躰である。 どうして血痰が出るのか。患部に血....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
りない神秘感を覚えるのだった。それは、荒涼たる時間の詩であろう。この内容のない硝
子器が、絶えず何ものかを期待しながらも、空しく数十年を過してしまって、しかも未だ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
せていた女があった。よく見ると、その女は、縫工員のベルガー夫人だった。 「あの硝
子器の中の電極の間に挟まれているものを見給え。あれがベルガー夫人がこの間生んだ嬰....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
今に見えますよ。偏光作用がうまく行ったらネ」 「偏光作用といいますと」 「この硝
子器の中に、ルナ・アミーバーが居るのです。この中をすっかり真空にして、こっちの方....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
うと、一生懸命みつめていると、その泥土の渦の中から浮び上って来たのは一つの丸い硝
子器だった。その形は、夜店で売っている硝子の金魚鉢に似ていたが、内部は空虚だった....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
色で。」 二十七 「青葉の影の射す処、白瀬戸の小鉢も結構な青磁の菓
子器に装ったようで、志の美しさ。 箸を取ると、その重った茄子が、あの、薄皮の腹....
「青草」より 著者:十一谷義三郎
へ行った。机の上にはアルコホル漬けにした蜘蛛の壜がいくつも並んでおり、その前の硝
子器の中にも一匹大きなやつがじっと伏せられている。それがよく見ると、四対ある単眼....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
いな……それから菓子を入れる皿でも蓋が出来るような蓋物を持って来て、宜いかえ、菓
子器をお願いだから……宜しく万事此処へこう置いて……お茶は鞄の中にあります、茶が....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
気に留った事があります。 少い女が持出した、金蒔絵の大形の見事な食籠……形の菓
子器ですがね。中には加賀の名物と言う、紅白の墨形の落雁が入れてありました。ところ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
たものである。こうして、ある呪うべき夜遅く、私はそれらの薬品を調合し、それらが硝
子器の中で一しょに煮え立ち、煙を上げるのを見つめ、その沸騰がしずまったとき、勇気....
「お魚女史」より 著者:坂口安吾
カンおくれよ」 「ダメ」 と、冷めたく一言、自分がたべるだけ食べてしまうと、菓
子器をかたづけて、 「ねえ、アンタ。アンタの社で、私をいくらで使ってくれる。タイ....
「江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
池に向かった縁側のところで、茶を飲みながら話をしていましたが、そこへ置いてある菓
子器の菓子が、夕闇の中をふいふいと池の方へ飛んでゆきます。二人は不思議に思って、....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
まして、人が来ると茶盆が出る、古染附の茶碗|古薩摩の急須に銀瓶が出る、二ツ組の菓
子器には蒸菓子と干菓子が這入ってありますという、万事手当が届いて居りまする。若草....