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子壺
「子壺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子壺の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
った菓子屋の店先へ寄り添うように自分を片づけた。そうしてそこに並んでいる大きな硝
子壺《ガラスつぼ》の中のビスケットを見つめる風をしながら、二人の動くのを待った。....
「一太と母」より 著者:宮本百合子
れることもなくはなかった。そんなとき一太の竹籠にはたった二三本の納豆の藁づとと辛
子壺が転っているばかりだ。家にいるのは女ばかりで、長火鉢の前で長煙管《ながぎせる....
「名娼満月」より 著者:夢野久作
丞の空腹を、たまらなく抉るのであった。 そのうちに盆茣蓙の真中に伏せてあった骰
子壺が引っくり返ると、和尚の負けになったらしく、積上げられた寺銭が、大勢の笑い声....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
の小さい姿が写るのが恥ずかしかった。 掌では七ツの銅貨が汗ばんでいる。これで硝
子壺は買えないかな。不図《ふと》そんなことを考えて硝子屋の前に立ったが、どの正札....
「露肆」より 著者:泉鏡花
原因は、皆この洋燈の墜落から転動(と妙な対句で)を起しまする。その危険な事は、硝
子壺も真鍮壺も決して差別はありません。と申すが、唯今もお話しました通り、火が消え....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
したのである。自分は銀製の急須を盗んだという嫌疑をかけられたことは一度もない。芥
子壺に関して中傷されたことはあるが、しかしそれは鍍金の品に過ぎないことがわかった....