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子安
「子安〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子安の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
の裘《かわごろも》ですか、蓬莱《ほうらい》の玉の枝ですか、それとも燕《つばめ》の
子安貝《こやすがい》ですか?
小町 まあ、お待ちなさい。わたしのお願はこれだけ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
現ともいふ由なり、往昔|秀衡《ひでひら》の室、社後の岩窟にて臨産の節、祈願して母
子安全たり、また王子に祈誓し、この子をすなはち巌窟に捨て置き、三山に詣《けい》し....
「病む子の祭」より 著者:新美南吉
して死んじまうことよ。 (病気の子そっと雛をもったまま、長く見ている) (女の
子安心する) 長女 毛、やわらかいでしょ。 病気の子、だまって雛をかえす....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
の手が足りなくて、翌年の新学年前には広岡理学士が上田から家を挙げて引移って来た。
子安という新教員も、高瀬が東京へ行った序《ついで》に頼んで来た。
子安は、高瀬も逢....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
る。そして今でも、小石川のその修養塾のそばに道場を造って柔道の先生をし、また夏は
子安辺で水泳の先生をして、毎年の冬隅田川で寒中水泳を催している。 この柔道から....
「衝突心理」より 著者:夢野久作
時頃、京浜国道川崎市の東の出外れでトラック同志が衝突した。突きかけた方は同県下|
子安、妹田農場の一|噸積シボレーの使い古した牛乳|車で、衝突と同時に機械と運転台....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
は何やら早め薬とかいって鍋でぐつぐつ煮てござる。安産のまじないに要るとか言って、
子安貝、海馬、松茸の石づき、何の事やら、わけのわからぬものを四方八方に使いを走ら....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
であろう、生々と、滑かな、紅白の巻いた絹。 「ああ、誓願のその一、求児――子育、
子安の観世音として、ここに婦人の参詣がある。」 世に、参り合わせた時の順に、白....
「飛行機の下の村」より 著者:宮本百合子
下で笑ってるし、みんなも「おーさ!」と答えつつ、悄気ているどころか! 段々本気に
子安講のことを討論しはじめた。部落で一戸ある裏切者を中心に四五人がかたまってその....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
“Niche rift”ではないのか。つまり、壺形をした渓という意味で、上部は、
子安貝に似た裂罅状の開口。しかし、内部は広くじつに深く、さながら地軸までもという....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。その絵は、白雲の眼光を以てしても、急には届きかねるものでありました。 「これは
子安観音《こやすかんのん》の絵だ」 画様を説明すれば、まずそういったようなもの....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
府県へも輸出されるとの事だ。 ここから三里離れた飛行場で有名な立川には岩崎家の
子安養豚所がある、これは飛行場よりは寧《むし》ろ草分《くさわけ》なのであるが、さ....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
という花魁とまでなり果ててしまう、これへ絡むにお里の義理ある兄倉岡元仲が江島屋養
子安次郎の父や、小松の母の殺害事件があり、トド浅草石浜の鏡ヶ池で仇元仲を仕止める....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
て来て供えました。そうして頼むと必ずよくなったという話であります。 姥神はまた
子安様ともいって、最初から子供のお好きな路傍の神様でありました。それがだんだんに....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
はあべこべで、実際は子供の好きな道祖神を、後に地蔵さんといって拝ませたのである。
子安という神様も、子供の安全を守りたまうと信じられた。しかしこの神を祭るのは子供....