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「子弟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

子弟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
さえ、紋附《もんつき》にセルの袴で、扇《おうぎ》を前に控えている。Kの如き町家の子弟が結城紬《ゆうきつむぎ》の二枚襲《にまいがさね》か何かで、納まっていたのは云....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
聖堂で素読《そどく》吟味《ぎんみ》が行なわれた。素読吟味というのは、旗本御家人の子弟に対する学問の試験で、身分の高下を問わず、武家の子弟が十二三歳になると、一度....
追憶」より 著者:芥川竜之介
はなかった。僕はこの心もちの中に中産下層階級を感じている。今日でも中産下層階級の子弟は何か買いものをするたびにやはり一円持っているものの、一円をすっかり使うこと....
朱日記」より 著者:泉鏡花
したい。が、何でもない事のようで、これがまた一大事だ。いやしくも父兄が信頼して、子弟の教育を委ねる学校の分として、婦、小児や、茱萸ぐらいの事で、臨時休業は沙汰の....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
て、貝原はあっさり小初の相手をして踊る。 この界隈の踊り場には、地つきの商店の子弟が前垂を外して踊りに来る。すこし馴染になった顔にたまたま小初は相手をしてやる....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
手習指南所から明治時代の小学校に変ったものであるから、在来の関係上、商人や職人の子弟は此処に通うものが多かった。公立の学校よりも、私立の学校の方が、先生が物柔ら....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
その四人が父の刀を奪い取って、その場で彼を斬り殺したばかりか、座敷へ乱入してその子弟を片端から斬り殺した。 李姓の者はみな殺されて、他姓の者は無事にまぬかれた....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
こは全く阿修羅の巷ともいうべきものでした。わたしはあらゆる階級――零落した旧家の子弟、劇場の女たち、狡猾な悪漢、幇間、威張り散らす乱暴者のたぐいを招いて遊びまし....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
投ぜられたる特殊の境遇事情に適応することを必要とするのである。それゆえにわが国の子弟を教育するにただちにわが国と境遇事情を異にする欧米の方法をもってすべきではな....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
される事になった。当時の東京商業学校というは本と商法講習所と称し、主として商家の子弟を収容した今の乙種商業学校程度の頗る低級な学校だったから、士族|気質のマダ失....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その住職の発起にて、日曜学校あるいは夜学校、夏季学校、冬季学校等を設置し、貧民の子弟を教育することあり。 ドイツ連邦中、バイエルン国は全国をローマ宗教区および....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
び富くじは、政府これを禁ず。ゆえに、野外の娯楽はただ競馬あるのみ。消防組は紳士の子弟志願によりて編成せられ、自ら進みて資を投じ、もってこれに加わるを名誉とすとい....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
合格しなかったのをおぼえている。 府立三中は本所江東橋にあって、いわゆる下町の子弟が多く、そのため庶民精神が横溢していて、名校長八田三喜先生の存在と相まって進....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
き、高尚敬虔な情操を養わねばならぬ」と。先生は言説ばかりではなく、実際に仏教家の子弟などを自分の塾の学生として教育され、その中には後に明治年間の名僧と呼ばれるよ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ったが、今日社会不安、社会固定の最も有力な原因は自由主義教育のためである。教育は子弟の能力によらず父兄の財力に応じて行なわれる。その教育は実生活と遊離して空論の....