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子牛
「子牛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
子牛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
った。犬は三頭が三頭ながら、大きさも毛なみも一対な茶まだらの逸物《いちもつ》で、
子牛もこれにくらべれば、大きい事はあっても、小さい事はない。それが皆、口のまわり....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
であった。三日目にはいけなかった。間の悪いことはかならず一度ではすまない。翌月牝
子牛を一頭落とし、翌々月また牝牛を一頭落とした。不景気で相当に苦しめられてるとこ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
ひまを乞い、六歳の時にはもう近所の子供たちの餓鬼大将で、裏の草原につながれてある
子牛を抱きすくめて頭の上に載せその辺を歩きまわって見せて、遊び仲間を戦慄させ、そ....
「農村」より 著者:宮本百合子
が入りまじって、静かな様な、やかましい様な音をたてて居る。 わきに少しはなれて
子牛と母牛を入れてある処がある。乳臭い声で「ミミミミ」と甘える声や、可哀くてたま....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
をはいた足に柄にもない草鞋《わらじ》をいつも履いて居る。 牛乳を家々に配る事と
子牛のお守りが役目で寒さに風一つ引かずに暗いうちから働く。 牧場には十八九頭の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はおかないような抑揚《よくよう》になり得たので、彼はまったく心転倒してしまった。
子牛のように声を挙げて泣き出しそうになっている自分を、彼は感じた。そして、気弱さ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
声を聞きつけた。その声のほうへ進んでいってみると、クリストフはある小さな空地に、
子牛のように仰向けにひっくり返っていた。クリストフはモークの姿を見ると、快活に声....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
であろう……いろんな色、いろんな形をしていた。太ったのもあれば、やせたのもあり、
子牛を連れたのもあった。馬もいたし、大きな太ったぶたは地べたに穴をほっていた。小....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
。 手桶から、柄杓で頭へ水をかけた途端、十重、二十重に縛られたままの怪青年は、
子牛ほども大きい魁然たる大狸に化けてしまった。実に、思いがけない出来ごとだ。 ....
「季節の味」より 著者:佐藤垢石
を求め得ないのである。 それに例外がないでもない。支那人は若い雛鳥を、西洋人は
子牛を、日本人は若鮎と若|茄子を好む風がある。しかし、これは恐らく味の上からでは....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
の尾という村へ向って歩き出しました。いつか私が岩躑躅を折りながら降りて来て、突然
子牛のようなペリッに咆えられた、あの周防山に並んだ樹木のこんもり生えた、山道へ分....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
夕陽はかすかになる。忽辺の市外のあたりはひろびろとして海のごとく、はるかに牧童が
子牛をひいて帰るのが見えた。) 嗹国江山送。 (嗹国の川や山はさかんな旅遊を送っ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
時政の娘、政子に眼をつけて、恋の巣に大望の卵を孵す長計を立てている。また、常磐の
子牛若は、鞍馬に長じて、年十六の春、金売り吉次に誘われて、山を脱走し、ついに奥州....