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「子猿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

子猿の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
った時でもきげんを直して、窄《せま》った眉根《まゆね》を少しは開きながら、「また子猿《こざる》が来たな」といって、そのつやつやしたおかっぱをなで回したりなぞした....
深夜の市長」より 著者:海野十三
て、いきなり僕の手を握ると、ズルズルと物蔭へ引張りこんだ。 僕は親猿に抱かれた子猿のように、かの老人に抱きすくめられていた。そこはどうやら穴蔵でもあるらしく、....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
っても、この阿弥陀沢のお湯へはいって癒しに来るという。いつかも、負傷《ておい》の子猿を伴れた親猿が、この近所の木に棲《す》んで、何日もお湯へはいっていたという里....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
まあ、狙仙だからのことで……」 孝之進は、主人が列挙したような欠点――例えば、子猿の爪の先を狙仙はこう書かなかったとか、眼玉がどっちによりすぎているとかいう―....
十二支考」より 著者:南方熊楠
てこれに中らんと望む。この村へ毎年二、三百疋の猴来り作物を荒すを村人包囲して捕え子猿を売る。孕んだ猴は腹を指さし命を乞うとあった。またしばしば熊野の猟師に聞いた....
牛鍋」より 著者:森鴎外
に出すと、猿の母と子との間に悲しい争奪が始まる。芋が来れば、母の乳房を銜んでいた子猿が、乳房を放して、珍らしい芋の方を取ろうとする。母猿もその芋を取ろうとする。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に差上げると、殿様からはたくさんの褒美《ほうび》を下された。 これから与次郎は子猿を家に連れて帰り、女房にも、この猿はこれこれこういうわけで連れて来とうだから....
死人の手」より 著者:田中貢太郎
」と云いました。 旅人は何んであろうかと思って、傍へ寄って往きました。十匹位の子猿が簀子を剥いだ音に驚いて、暗いなかに坊主頭を見せてがさがさ騒いでおりました。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たく違った関係だった。二人は悪戯《いたずら》盛りのころから、小学校で知り合った。子猿《こざる》みたいなコーンはクリストフに悪戯をしかけた。クリストフはその穽《お....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
まれて耳を澄ましたが、にわかに大声で、 「あははは、猿だ。猿だ。……アレ見い、親子猿が、木の枝を渡ってゆく」 ほっとしたように、お通は、 「……あ。びっくりし....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れ。あそこにも――」 武蔵が、指さした谷間の樹をのぞくと、親猿を真ん中にして、子猿が、かたまっていた。 「いたろう。はははは」 「何だあ……。だけど先生……猿....