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孑
「孑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
んは清潔家《きれいずき》でもって瓶《かめ》の水を日に三度|宛《ずつ》も替えねえと
孑孑《ぼうふら》が湧くなんてえ位で、小便にでも行くと肱《ひじ》の処から水をかけて....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
であったから歟、堺の住民が外国と交商して其智識を移し得たからである歟、我邦の城は
孑然として町の内、多くは外に在るのを常として、町は何等の防備を有せぬのを例として....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
な。」弁持が鹿爪らしく、「は、飛沙魚です、は。」「飛沙魚だ、贅沢だ。もぐり沙魚の
孑孑だ。――先方は女だ、娘だよ。可哀そうに、(口惜いか、)と俺が聞いたら、(恥か....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
、人民|居廬、罕有全者、京邑衆水、暴長七八尺、水流迅激、直衝城下、大小橋梁、無有
孑遺、云々」とあって水害もひどかったが風も相当強かったらしい。この災害のあとで、....
「雑記帳より(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
それからまたどの映画にも必ず根気よく実に根気よく繰返される退屈な立廻りが、どうも
孑※の群や蚊柱の運動を聨想させる。これを製作する監督、またそれを享楽する映画ファ....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
ます。 私はもう、それまでに、幾度もその渦にくるくると巻かれて、大な水の輪に、
孑孑虫が引くりかえるような形で、取っては投げられ、掴んでは倒され、捲き上げては倒....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
いう物に蔽われている、深い泥沼があったとしたら、誰だって住むのは厭じゃアないか。
孑孑でない限りはね。ところで伯爵で居たかったら、そこに住まなければならないのだよ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の如く恍然として東西を弁ぜず、乱雑して人語を明らめがたし。我自ら我身を顧りみれば
孑然として小虫の如く、車夫に罵しられ馬丁に叱られ右に避け左にかがまりて、ようやく....
「短歌の詩形」より 著者:寺田寅彦
日本人が真に日本の土の中から生れ、日本の言語が全く独立に発生したと考えるのは、
孑※が水から発生すると考えるよりも一層非科学的である。同様に例えば日本の短歌の詩....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
何日に雷が鳴って何とかいう家におっこちたという通信種を、その家の天水桶に落雷して
孑孑が驚いたという風に書いて、その
孑孑の驚いたという事が社中一同大得意であったか....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
たみを舐めやあがって何だその赤い顔は贅沢だい、我が注連縄を張った町内、汝のような
孑孑は湧かない筈だ、どこの流尻から紛れ込みやあがった。)と頭ごかし、前後に同一よ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
子台に並んだのでありました。 さて、お盃。なかなか飲める。……柳町で悩まされた
孑孑が酔いそうなものではなかった。 「お孝、お孝。」 と若いかみさんの、姪を呼....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
に一組、いま毛氈を畳み掛けているのがありましょう――ああ一人酔っている。ふらふら
孑孑のようだわね……あれから、上へ上へと見霽の丘になって、段々なぞえに上る処……....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
いう字のように組まれた枯木と生木とが、紅い炎焔や白い烟を噴いていた。其火に対って
孑然と胡坐を掻いているのは、二十歳ばかりの極めて小作りの男であった。 何処やら....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
追われて、深刻な恋愛の真情がどんなものかしみじみ考えて見る暇がない。時たま一人|
孑然《ぽつねん》と貸間の二階に寝ることがないでもないが、そういう時には何より先に....