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字句
「字句〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
字句の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
は、五割方増加する。どうです、すばらしい発明でしょうがな」 自画自賛――という
字句は、この客のために用意されたものであったかと、余は始めて悟ったことである。 ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
形警部は沈痛な面持で、療養所長の証明書を一瞥しました。大きな四角い字で次のような
字句が記されてあったのです。 証明書 勝見伍策 明治三十一年九月....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
そんなことは忘れてしまって、妾は父が手帳の中に書きのこした「三人の双生児」という
字句が持つ秘密を、別な方面から調べてみなければならない。それはもっともっと別の種....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いったいどうなってしまうんだろう。しかし僕は、指一本動かさせただけで、また詩文の
字句一つで発掘を行い、それから、詩句で虚妄を作らせまでして、犯人の心像を曝き出し....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
さげて、公使の前でそれを読み上げた。その時、書記官シイボルトがそばにいて、勅書の
字句を駿河に質問し、それを一々公使に通じた。パアクスはたちまち顔色を火のように変....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
氏の感じに対する強き同感と、そして一つは烈しき反感とであった。いうまでもなく私は
字句の末を捕えて論ずるのではなく、この文章を通じて現わるる氏の心持ちについて論ず....
「文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
は奇想湧くが如く、運筆飛ぶが如く、一気に揮洒し去って多く改竄しなかったに拘らず、
字句軒昂して天馬行空の勢いがあった。其一例を示せば、 我日本国の帝室は地球上一....
「獏鸚」より 著者:海野十三
帆村は遠いところを見つめるような眼をして云った。 「そこには、たった三つの違った
字句しか発見できない。昨夜一と晩考えつづけて、はじめの二つの
字句は、まず意味を察....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
日洗いきよめて新たな気持ちにならなければならん、とこういうのだ、だがきみの解釈は
字句において間違いがあるが大体の意義において間違いはない、書を読むに文字を読むも....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
られているが、純文学的に価値のひくい千代女の朝顔の句や、すて女の雪の朝二の字二の
字句が、女流俳句のすべてであるよう、いつ迄も印象されつつある現状から、も一歩現代....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
世人に示すを憚かるべきものにあらず、殊にすでに世間に伝わりて転々伝写の間には多少
字句の誤なきを期せざれば寧ろその本文を公にするに若かざるべしとて、これを先生に乞....
「地上」より 著者:島田清次郎
の雲が蔽い隠してしまった。彼はもの憂そうに一人の生徒に読まして読本の講義のように
字句の講義を続けて行った。「節倹の必要」ということに何の情熱も気力も感じられなか....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
説家の覚悟を書こうとしている評論だなと思った。このような原稿を伏字なしに書くには
字句一つの使い方にも細かい神経を要する。武田さんが書き悩んでいるわけもうなずける....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
進帳」を天覧に供するについて、ある人が――末松謙澄子だとか伝えられている――その
字句の修正を行なった。その修正が妥当を欠いているといって、『東京日日新聞』の紙上....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
思議に感じられたのは、その文面全体を通じて、注意事項の親族云々を聯想させるような
字句が一つとして見当らないのだが、それがたんに同姓というだけのことで検閲官の眼が....