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「字引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

字引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
は胸がどきどきして来ました。 昨日《きのう》買っていただいた読本《とくほん》の字引きが一番大切で、その次ぎに大切なのは帽子なんだから、僕は悲しくなり出しました....
自叙伝」より 著者:大杉栄
を慰め顔に言った。が、僕にはまた、この「殿様」というのが妙に響いた。これも感情の字引の中にはない言葉だった。なるほど新発田には殿様があった。殿様という言葉もよく....
河明り」より 著者:岡本かの子
三面鏡の化粧台を店員たちに運ばせて、程よい光線の窓際に据えて行った。一度は漢和の字引をお持ちでしたらと借りに来て、私がここまでは持って来ないのを知り、「お邪魔い....
学生時代」より 著者:幸田露伴
うるさいのですが、其の代り銘々が自家でもって十分苦しんで読んで、字が分らなければ字引を引き、意味が取れなければ再思三考するというように勉強した揚句に、いよいよ分....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
今パリではミディネットが同盟罷工をしている。 このミディネットというのは、字引をひいてもちょっと出て来ない字だが、ミディすなわち正午にあちこちの商店や工場....
獄中記」より 著者:大杉栄
い。とまずきめた。今までの経験によると、ほぼ三カ月目に初歩を終えて、六カ月目には字引なしでいい加減本が読める。一語一年ずつとしてもこれだけはやられよう。午前中は....
少年探偵長」より 著者:海野十三
あるため、判読するのがなかなかむずかしかった。 しかし少年は、その困難を越え、字引をくりかえし調べて、どうやらこうやら一応はその文字を拾い読むことができた。 ....
外来語所感」より 著者:九鬼周造
ーガン、ブロック等々の言葉は既に常識化されてしまった。 近頃は日本にも外来語の字引がぼつぼつ出来てきたが、ドイツには早くから十数種の外来語辞典があるほど外来語....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
本郷玉川の水茶屋をしていた鵜飼三二さんなどもこの仲間で、玉川の三二さんは、活きた字引といわれ、後には得能さんの顧問役のようになって、毎日友人の間を歴訪して遊んで....
獄中消息」より 著者:大杉栄
たような、蛙が尾をはやしたまま飛んで歩く程度になった。シベリア※ぐらいのものなら字引なしでともかくも読める。イタリア語は本がなかったので碌に勉強もしなかったのだ....
辞書」より 著者:折口信夫
辞林』『辞苑』は百科全書の小さいもので、ほんとうの意味での語彙ではない。啓蒙的な字引きにすぎない。けれども、常にわれわれの使う辞書といわれているもののなかにはい....
」より 著者:織田作之助
、それをしないものだから、平気で人名を変えたりしている。それに驚くべきことだが、字引を引いたことがないという。第一字引というものを持っていない。引くのが面倒くさ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
であります。そういう有様ですから、既に宣教師の下働きを為し、あたかもキリスト教の字引であるかのごとく見えて居るチベット人も、充分腹が太くなって金が少し出来るとじ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
動力は、すべてアルコールと電力に変わっている時代であるから、煙筒という言葉さえ、字引に発見されないであろう。 で、大阪市がかつて横たわっておった地方は『巨人の....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
。 したがってそこへ出る露店もしずかにつつましい感じのものばかりだった。いろは字引だの三世相だのを並べた古本屋だの、煙草入の金具だの緒締だのをうる道具屋だの、....