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字形
「字形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
字形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春昼」より 著者:泉鏡花
々と垂らしながら、占た! とばかり、やにわに対手の玉将を引掴むと、大きな口をへの
字形に結んで見ていた赭ら顔で、脊高の、胸の大きい禅門が、鉄梃のような親指で、いき....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
たえた水をへだてて、対岸に霞沢岳、左手に岩ばかりの穂高の頭が雲の中に出ている。Y
字形の雪谷と、その上に噛みあった雪とが、藍色の水と相対して、一種の凄みがある。水....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
見える。大変長い傾斜だと喜ぶうちにスキーは刻々に速度をまして行く。スキーの跡はS
字形にうねって下りて行っているが、大変な速さになると曲り切れなくなった。それでも....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
いった。モグラ下士のいったロケット爆弾を一眼見たいと思ったからであった。 くの
字形になったベトンの角を一つ曲ると、次の塹壕の突きあたりのところに、なるほどモグ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
さく見えるほど、頭も顔も大の悪僧の、鼻が扁く、口が、例の喰しばった可恐しい、への
字形でなく、唇を下から上へ、への字を反対に掬って、 「むふッ。」 ニタリと、し....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
三条の光芒は、行儀よく上空でぶっちがった。 光芒の中に、白く拭きとったような丁
字形が見えた。三つ! 果して敵の重爆撃機の編隊だ。見なれないその異様な恰好! ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たが、猪口も数を累ねず、食べるものも、かの神路山の杉箸を割ったばかり。 客は丁
字形に二つ並べた、奥の方の縁台に腰をかけて、掌で項を圧えて、俯向いたり、腕を拱い....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ブルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動かし出した。正面の新郎や新婦をはじめ、白い凹
字形のテエブルに就いた五十人あまりの人びとは勿論いずれも陽気だった。が、僕の心も....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
、雪の翼を縫って、あの青い火が、蜿々と蛍のように飛んで来ました。 真正面に、凹
字形の大な建ものが、真白な大軍艦のように朦朧として顕れました。と見ると、怪し火は....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
シーンとしていた。 工手の屍体は、アンペラで覆われた丸山技師の屍体の側に、くの
字形に曲って投げ出されていた。伸びあがって瓦斯の排出工合を検査している隙に、後ろ....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
の中を歩き乍らいくら小田島が振り除けても女は離れて行こうとし無い。果は芝生に大の
字形に寝て仕舞い、片手を伸ばして彼のズボンの裾をしっかり握って離さない。彼の癇癪....
「米」より 著者:犬田卯
の身にはやや骨の折れる仕事にとりかかった。田へ入るや否や、気持の納まらぬ彼は、丁
字形の泥掻きで反対にいきなり由次の方へ泥をひっかけた。 「あれ、この野郎」由次も....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
七の所にて苧紐にて結ぶ。その紐の長さも一尺四寸四分なり。しかして、この三本竹を叉
字形となし、その上に盆を伏せ、また茶碗に水と酒とを盛り、これを二本の竹の下に置き....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
すなわちヤソ会堂あり。会堂にはおよそ一定の建築法ありて、前面に高塔あり、塔上に十
字形あり。ゆえに、遠方より村落を一望して、その中に会堂あるを知るべし。都府の会堂....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
ら発見した。それは或る気温の関係で太陽の周囲に白虹が出来、なお太陽を中心として十
字形の虹が現われるのだが、その交叉点が殊に光度を増すので、真の太陽の周囲四ヶ所に....