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字画
「字画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
字画の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
ぐ》って行った。私の眼は几帳面《きちょうめん》に枠《わく》の中に篏《は》められた
字画《じかく》を見た。けれどもそれを読む余裕はなかった。拾い読みにする余裕すら覚....
「道草」より 著者:夏目漱石
半紙に認ためられたものは悉《ことごと》く鉛筆の走り書なので、光線の暗い所では
字画さえ判然《はんぜん》しないのが多かった。乱暴で読めないのも時々出て来た。疲れ....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
の灯影の一条が、闇のなかで閉じたかの女の眼の底に畳まり込み、それが規矩男の手紙の
字画の線の印象と同じ眼底で交り合い、なかなか眠りに入れそうもない。 規矩男の手....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、一幅の書がどこからとも知れずに軒下へ舞い落ちた。それは筆をもって書いたもので、
字画も整然と読まれた。その文書の大意は――我はここに年久しく住んでいて、家屋|門....
「芸術家と国語」より 著者:宮本百合子
を現す差別の多いこと、女の言葉、男の言葉に著しい違いのある点、文字が見た眼には、
字画がグロテスクで、実は精緻な直感に欠けていることなども不満としてあげられます。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
裏面を返して、そこにまず「施主」の二字を認めて暫《しばら》く休み、次にやや小形の
字画で、
「江戸下谷長者町十八文道庵居士」
と書き飛ばしたが、誰も驚きません....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
持った物となってうつるようになりました。用心して無理に読まないようにしています。
字画はまだボヤボヤです。面白いことに、自分の手の先の爪がなかなか見にくくて鏡をや....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
きな頭におびえて、長く舌を出し、もうペンを持つこともできず、眼が曇ってき、あまり
字画を引張りすぎたり、あるいはごちゃこちゃに書きちらしたりした――メルキオルは喚....
「はしがき」より 著者:竹久夢二
姉妹篇「凧」に対して「春」という一字を撰んだのです。「春」という字は音が朗かで
字画が好もしいため、本の名にしたわけです。 (千九百二十六年十月)....