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「字義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

字義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
になって、社へ帰ってまいりました。やられたのです。かれの言いぶんに拠《よ》れば、字義どおりの一足ちがい、宿の朝ごはんの後、熱い番茶に梅干いれてふうふう吹いて呑ん....
狂言の神」より 著者:太宰治
りごとを言いながら、内心うれしく、微笑とめてもとまらなかった。石の段段をのぼり、字義どおりに門をたたいて、出て来た女中に大声で私の名前を知らせてやった。うれしや....
婦系図」より 著者:泉鏡花
階へ通すと、年配は五十ばかり。推しものの痘痕は一目見て気の毒な程で、しかも黒い。字義をもって論ずると月下氷人でない、竈下炭焼であるが、身躾よく、カラアが白く、磨....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、氷河と峻険と猛風雪と酷寒、広茫数百の氷河を擁する未踏地中のそのまた奥。そこに、字義どおりの冥路の国ありという、“Ser-mik-suah”は極光下の神秘だ。で....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
便を四方にジャジャやりながら、分らない独言を云って帰って行った。 北海道では、字義通り、どの鉄道の枕木もそれはそのまま一本々々労働者の青むくれた「死骸」だった....
碧眼托鉢」より 著者:太宰治
Confiteor 昨年の暮、いたたまらぬ事が、三つも重なって起り、私は、字義どおり尻に火がついた思いで家を飛び出し、湯河原、箱根をあるきまわり、箱根の山....
女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
つましやかな自由、それはどうあるべきかと追求されてもこまるけれど、とにかく以上の字義どおり何れの女性も心術として欲しい、結果はおのずから達成せられるでありましょ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
る酔漢の類こそ、不良霊媒以上の精神異常者である。彼等が出入する不潔な場所こそは、字義通りの魔窟であって、そこには最劣最悪の不良霊連が、彼等酔漢の躯に憑り、鬼畜に....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
をつくという意味だ。急々如律令は添え言葉、たいして意味はないらしい……さてこれで字義は解った。貴人を横取りしたために、宰相田沼殿が周章てている。七日の間に某所へ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
時、天皇がセンベツに斧を与えたのは有名な話。しかし、これをオノ、マサカリと支那の字義通りによんではならぬ、単にセンベツのミシルシと読み解するようにと後世の学者は....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
一味の哀愁が漂うような処のあるのを、気にしたのかも知れない。)何にしても、此歌は字義どおりの写生の出発点を見せているので、生命の暗示などは、問題にもなって居ない....
飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
全道には二十五万人、総計四十五万人近くの百姓達は、この冬の氷と雪に鎖されながら、字義通り餓死線上に立たされているという。 私は、これらの人達の中の幾人かと会っ....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
る、肉としての自身は亡びても法としての自身を大切にせよと言われたのである。それを字義通りに大切にするために佛が滅せられた年の七月に大迦葉が五百の仏弟子を集めて一....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
ル・ペーンは和英相通じて医者相当の名であるとの評が起こった。つぎに、拙者の井上の字義はいかんとたずねられたるに対し、「英語にてアポン・ゼ・ウェルとでも訳すべき字....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
今集』の出来た頃に『万葉』を感得した点が特にえらいとされている。けれどもはたして字義通りそうであろうか。それは現代の人々の間に、『万葉集』の歌はよく、『古今集』....