字面[語句情報] » 字面

「字面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

字面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
品の底に少し心配なところがあるので、遠慮をせずに申し上げました。無闇《むやみ》に字面《じづら》を飾り、ことさらに漢字を避けたり、不要の風景の描写をしたり、みだり....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ズラリと配列されていた。外光が薄くなって、奥の闇と交わっている辺りには、幾つか文字面の硝子らしいものが、薄気味悪げな鱗の光のように見え、その仄かな光に生動が刻ま....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
それが如何なるものかを猜することが出来る。魔法の類ではない。妖術幻術というはただ字面の通りである。しかし支那流の妖術幻術、印度流の幻師の法を伝えた痕跡はむしろ少....
骨董」より 著者:幸田露伴
零雑の義で、あたかも我邦俗のゴッタ煮ゴッタ汁などというゴッタの意味に当る。それも字面には別に義があるのではない。また、水に落つる声を骨董という。それもコトンと落....
芸術ぎらい」より 著者:太宰治
。〈チエホフ的に〉などと少しでも意識したならば、かならず無慙に失敗します。無闇に字面を飾り、ことさらに漢字を避けたり、不要の風景の描写をしたり、みだりに花の名を....
ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
幕式は純然たる概念的公式的の除幕式であって、甲のものと、乙のものとは人名などの活字面が少しちがうだけであって、どれもこれも具象的内容においては全く同じものである....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
時計|衣嚢から、時計をひっぱり出しました。それは止っています。私は月の光でその文字面をちらりと眺め、それからその時計を遠く海のなかへ放り投げてわっと泣きだしまし....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
。之は頭が悪いか性が悪いかの証拠だが、物を云うのは立法者の頭ではなくて、書かれた字面なのだから、この作文道楽は傍迷惑なのである。 (一九三六・六) 九 改革熱の....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
寝をするのにという意も含まれている。 「葦べ行く鴨」という句は、葦べを飛びわたる字面であるが、一般に葦べに住む鴨の意としてもかまわぬだろう。「葦べゆく鴨の羽音の....
水の女」より 著者:折口信夫
水藻などの聯想が起らずにはいない。ときどきは「生立」に疑いを向けて、「水沼間」の字面の語感にたよって、水たまり・淵などと感じるくらいにとどまったのは、無理もない....
霊感」より 著者:豊島与志雄
古木が茂っています。 この身禄山を、附近の人々は、ミロクサンと呼んでいます。文字面の音をそのまま取って、身禄さまではなく、身禄さんと、親しい気持ちをこめたもの....
椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
口の中でなにかぶつぶつ呟いてるようです。もっとも、校正をやってる人は、印刷された字面を追いながら自然と口の中で発音をまねる癖が多いようですが、別所君のはそんなの....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
、別に正根という名を持たされていたからである。父親の同僚に誰か読書人がいて、隼の字面の殺伐さを嫌って、こんな雅名を与えたものであろう。しかし小供の呼名としてはか....
フシギな女」より 著者:坂口安吾
、あの文章を最も表面的に受けとれば、たとえば、小学校五六年生ぐらいに読ませれば、字面通りにそう受けとるのは当然だろうと思います。字面はたしかにそうですから。 ....
役者の一生」より 著者:折口信夫
をしても、常に女形本来の性質である善人の反省に還っている。 悪婆というと、その文字面は老人のことのようだが、若い女のすることなので、たんかをきったり女白浪になっ....