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存否
「存否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
存否の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
通の懸橋をさし懸けられぬいわれはなかった。だが翁の心に於て、まず最初に、こどもの
存否を気遣う疑念があった。懐疑、躊躇《ちゅうちょ》、不信、探りごころ――こういう....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
するものなりや否や。 下顎、犬歯は噛合するとき上顎歯列の前に出ずるや、及び智歯の
存否。 以上 裁縫女学校長田辺氏に命ぜられた鑑定事項は次のようだった。 ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
第一章に、天皇の身体に対する罪、第二章に、内乱に関する罪の箇条があったので、その
存否は委員中の重大問題となったが、竟《つい》にその処置に付き委員より政府に上申し....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ぐるに際限を見ず、因って見込みの付かぬをホーズもない事というと聞く、かかる物実際
存否の論は措《お》いてとにかく西洋に大海蛇の譚あるようにインドや支那で洋海に大竜....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
言行の規矩を踰ゆるを見た。かつて八文の煮豆を買って鼠不入の中に蔵し、しばしばその
存否を検したことがある。また或日|海※を饗することを命じた。栄玄は来て饗を受けた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
頁、バルフォールの『印度事彙』第三板一巻、二二および二七六頁)、猴麪包の功遥かに
存否曖昧の猴酒に優《まさ》る。それと比較にならねどわが邦にもサルナシという菓あり....
「颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
していたと記憶するが、このような区別を生じた原因の中には颱風や地震のようなものの
存否がかなり重大な因子をなしているかもしれないのである。 颱風の災害を軽減する....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
雑誌「世界」は、後に「我邦」と改称し、なお藤花学会という愛国主義鼓吹の団体も今は
存否如何を知らぬが、孤松氏尽力の形見であった。また椎の友会連中では、伊藤松宇氏と....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
木々彦は果して殺されているか? 雲をつかむような得体の知れぬ事件であった。事件の
存否も確かではないのに、容疑者をあげるワケにはいかない。そこで新十郎が調査をゆだ....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
うのは本質的妖怪の事で狐狸の事に関しては後項で私見をのべよう。 妖怪の
存否とその起元 妖怪変化の起元は、元始人類が、他の巨大な動物、未知の動物、また....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
の存在非存在を実験する。或る干渉波を云い現わす紋波が出るか出ないかで、エーテルの
存否を推定し得るとする。その結果はエーテルの非存在として現われる。ではエーテルは....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
世を考えるならば、この歳月によって年齢の関係をも顧みなくてはならぬ。一人の天才の
存否は時代の趨勢よりも重い。天平後期の芸術に著しい変化が認められるのは、外来の影....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
きっとつらぬいてみせよう。――ここにただ尊氏をさえ滅ぼしてしまえばだ。道誉一人の
存否などは問題でない。どうにでもなる。そのどうでもいいことに、准后のごきげんを損....
「千里眼その他」より 著者:中谷宇吉郎
はこれとは話が量的には著しくちがうが、それでも一旦その可能性が確認された以上は、
存否の議論はもはや無意味である。それで千里眼の現象に類似した他の現象を探して、そ....