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「存命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

存命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》の思い出には、兵衛の容態《ようだい》が承《うけたまわ》りとうござる。兵衛はまだ存命でござるか。」と云った。喜三郎はすでに泣いていた。蘭袋もこの言葉を聞いた時に....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
ぜかこの姉に、――全然僕の見知らない姉に或親しみを感じている。「初ちゃん」は今も存命するとすれば、四十を越していることであろう。四十を越した「初ちゃん」の顔は或....
婦系図」より 著者:泉鏡花
しらふの時だったから、まだまあそれで済んだがね。掏摸万歳の時で御覧じろ、えて吉、存命は覚束ねえ。」 と図に乗って饒舌るのを、おかしそうに聞惚れて、夜の潮の、充....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
七で、紅の珊瑚の中に、結綿の花を咲かせているのではないか。 男は死ななかった。存命えて坊主になって老い朽ちた。娘のために、姉上はそれさえお引取りになった。けれ....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
桟道が、はじめて掛りました。……まず、開通式といった日に、ここの村長――唯今でも存命で居ります――年を取ったのが、大勢と、村口に客の歓迎に出ておりました。県知事....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
は、むっくりと起きて、嬉しさに雀躍をしたんですが、貴僧、その中の一人は、まだ母の存命の内に、雛祭の夜なくなりました。それは私も知っている―― 一人は行方が知れ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しいのんびりした空気に浸っていたのでございます。私の幼い時分には祖父も祖母もまだ存命で、それはそれは眼にも入れたいほど私を寵愛してくれました。好い日和の折などに....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が違っている。その家の主人は上田といった。それから二十五、六年は立つ。上田さんも存命であらばよほどの高齢と思われる。その後どこかへ引移ったものであろう。門札は名....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
「必ず帰る」 「此間の夜も。しみじみ云いました通り、私が以前に水戸の藤田先生の御存命中に承わった処では、今に世の中がどんでん返しをして、吃驚する程変ってくる。だ....
迷信解」より 著者:井上円了
失えり。その娘は早く父に別れ、全く母親の手にて成長せしが、母は大いにこれを愛し、存命中金銭をおしまず、高価の衣服を求めてこれに与えしも、いまだ結婚するに至らずし....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
二葉亭が存命だったら今頃ドウしているだろう? という問題が或る時二葉亭を知る同士が寄合っ....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
考えていません。私は現存するものの維持のために全力を費しているのです。旧司令官の存命中は、流刑地は彼の支持者であふれていました。旧司令官の説得力は私も一部分はも....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
献書類を調べる仕事に疲れたロランはほとんど毎夕マルヴィーダの家――その数年前まで存命していたフランツ・リストが、そこに来て魔力あるアルペジオを掻き鳴らすこともし....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
衛氏は日本毛織の創立者として有名な人である。大だんなの先代清兵衛氏も当時はまだご存命で、なかなかこまかい人だったと記憶している。なにしろ、この大だんなは石炭の袋....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
い! お前たち、弟カルルと(ヨーハン)よ、私が死んだとき、シュミット教授がなお存命ならば、ただちに、私の病状の記録作成を私の名において教授に依頼せよ、そしてそ....