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存在理由
「存在理由〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
存在理由の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
手に入れて遊ぶばかりだ。 人の趣味は千差万別だから、この世には色々なおもちゃの
存在理由があるわけだ。 宮沢賢治という人は何処の人だか、年がいくつなのだか、な....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
だなに一つ社会のためにも人類のためにも尽したことがない位にバイ菌でもあるが、僕の
存在理由はだがそれらの傑作を供給したことによってもいささか意義がありそうでもある....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
雲に変っていった。やがて、彼はニタリとほくそ笑んで、二人を顧みた。
「この微孔の
存在理由は、ある意味では隠れ衣であり、また、一種の水晶凝視を起すにもあったのだ。....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
はむつかしい問題ではあるが、そういう区別があるとしないとある種の未来派の絵などの
存在理由は消滅しそうに思われる。 色彩を取り去ったあとの浮世絵の中に見いだされ....
「映画雑感(Ⅳ)」より 著者:寺田寅彦
ちうるわけである。少なくもこういう見地からこれらの二種の映画をながめてそれぞれの
存在理由を認めることもできそうである。 新しい考えの生まれるためには何かしら暗....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
理性の判断に堪えるか? 精神の糧として何れ丈の価値を有するか?――われ等の教訓の
存在理由は、これを以て決定すべきである。 正規の教会で教うるように、諸子に臣従....
「中庸」より 著者:坂口安吾
ば大過なきを得るものの如くである。その意味に於ては、無為無能の村長たる私も多少の
存在理由を認めうるかに考えている次第である。しかるに村長の意見を徴することなく村....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の言い訳はむつかしいが、人の借金の言い訳はやり易いと同じような意味に於て、教祖の
存在理由というものはハッキリしているのである。 教祖と信徒の関係は持ちつ持たれ....
「桜の園」より 著者:神西清
。新陳代謝の意味では、猛獣が必要だ。なんでも手当り次第、食っちまうやつがね。君の
存在理由も、要するにそれさ。 一同わらう。 ワーリャ ねえペーチャ、あんたは遊星....
「科学的新聞記者」より 著者:桐生悠々
極まる統制の名の下に、これを彼等の職域奉公と心得ている。 今日の新聞は全然その
存在理由を失いつつある。従って人はこれを無くもがなのものとしているけれども、他に....
「演劇への入口」より 著者:岸田国士
自ら夢みる力を失っているところにある。 学校や職場を中心とする素人演劇の魅力と
存在理由は、まさにこの空隙を埋めるものであろう。 これと同じ理由で、演劇は時代....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
有していて、それに牴触しては忽ちその作品の〔“RAISON D'E^TRE”〕(
存在理由)がなくなってしまうと考える所から、自分の胸にある燃えるような色彩も、夢....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
とも私自身ほしくてならぬように、たとい探偵小説が、一部の文芸批評家によって、その
存在理由を疑われてもやはり、私自身にとっては無くてはならぬものである。しかし、「....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
――ここに飜訳者《ほんやくしゃ》の座があり、同時にその罪障を宿命づけられた悲しい
存在理由があるに相違ない。当り前の事だが、考えれば考えるほど腹の立ってくる馬鹿げ....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
のありとすれば、それは、たしかに天才の仕事でなければならぬ。私達は、かゝる芸術の
存在理由をも、効果をも疑うものでないが、芸術は、創造であり、個的でなければならぬ....