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存知
「存知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
存知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
に歩いて行った。
「大村《おおむら》さんでいらっしゃいますわね? わたしは――御
存知《ごぞんじ》でございましょう?」
篤介はただ「ええ」と答えた。彼女はこの「....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
れません。ある凩《こがらし》の烈しい夜《よる》でございましたが、わたし共夫婦は御
存知の囲《かこ》いに、夜の更《ふ》けるのも知らず話して居りました。そこへ突然はい....
「影」より 著者:芥川竜之介
ーブル》越しに夫へ笑顔《えがお》を送った。
「田中《たなか》さんが下すったの。御
存知じゃなくって? 倉庫会社の――」
卓子《テーブル》の上にはその次に、指環の....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ものです。ちょっと最初の詩を読んでごらんなさい。いや、あなたは河童の国の言葉を御
存知になるはずはありません。では代わりに読んでみましょう。これは近ごろ出版になっ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
道人はじろりとお蓮を見ると、二三度|下《げ》びた笑い声を出した。
「御生れ年も御
存知かな? いや、よろしい、卯《う》の一白《いっぱく》になります。」
老人は金....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
す、わたしを呼びとめたのは?
玉造の小町 (小野の小町に)あなたは黄泉の使を御
存知ではありませんか?
小野の小町 (玉造の小町に)あなたも知らないとはおっし....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
和国です。」
「ゾイリアと云う国がありますか。」
「これは、驚いた。ゾイリアを御
存知ないとは、意外ですな。一体どこへお出《い》でになる御心算《おつもり》か知りま....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
でございます。あの墓原の松のかげに、眠っていらっしゃる御両親は、天主のおん教も御
存知なし、きっと今頃はいんへるのに、お堕《お》ちになっていらっしゃいましょう。そ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
動揺を感じない訳には行かなかった。
「辰子《たつこ》さん。あなたまだ安田さんを御
存知なかったわね。――辰子さんと申しますの。京都の女学校を卒業なすった方《かた》....
「少年」より 著者:芥川竜之介
笑を浮かべながら、少女との問答をつづけている。
「きょうは何日《なんにち》だか御
存知ですか?」
「十二月二十五日でしょう。」
「ええ、十二月二十五日です。十二月....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
い眼をやった。
「今日《きょう》は?」
「今日は河合《かわい》の――お父さんは御
存知ないでしょう。――僕と同じ文科の学生です。河合の追悼会《ついとうかい》があっ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の御顔を眺めました、ほんとうに当時の御主人は、北《きた》の方《かた》の御心配も御
存知ないのか、夜は京極《きょうごく》の御屋形《おやかた》にも、滅多《めった》に御....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
た。
「だって帝国ホテルでやるんでしょう?」
「帝国ホテル――か?」
「あら、御
存知《ごぞんじ》なかったの?」
「うん、……おい、チョッキ!」
たね子は急いで....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
えになるべきでしょう。たとえば、閣下の使用せられる刑事の中にさえ、閣下の夢にも御
存知にならない伝染病を持っているものが、大勢居ります。殊にそれが、接吻《せっぷん....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
紹介すると、 「私が私の心を知っている位か、否な、それ以上にも、貴女は私の心を御
存知でしょう。私が前に誤れる考を持っておったことも、今の考も、私の弱点も、私の自....