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孜
「孜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
呆れた一人だった。 しかし、当の博士は、世人の非難や嘲笑にはいっこう無頓着で、
孜々として蜘蛛の研究に没頭して、研究室のなかに百にあまる飼育函をおき、数かぎりな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て見たかった。自分の故郷を失ったからには、故郷を造って見たかった。而して六年間|
孜々として吾巣を構えた。其結果は如何である? 儂が越して程なく要あって来訪した東....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
せ、あちらこちらへ彷徨《ほうこう》し、道に迷ってしまった。おのが生の道筋を気長に
孜々《しし》として掘っている同類の人々とも、接触することがなくなった。勝手は悪い....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
られた事柄を彼等独特のずるさによって処理しておるので、そしてその受身のずるさが、
孜々として、日本の歴史を動かしてきたのであった。 日本の農村は今日に於ても尚奈....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
いつも懶けてばかりいました。汪紹生は真面目な詩人で、生活のため図書館に勤めながら
孜々として勉強していました。そして高賓如大佐は荘家の親しい知人で、新新文芸一派に....
「道標」より 著者:豊島与志雄
重役であることも問題でありません。あなたのお父さんは大して学問もなさらず、独力で
孜々として今日の地位を築いてこられたことも、問題でありません。あなたがちょっと好....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
にたのもしそうである。生を愛し、人類を思う青年は読書せずにいられるものではない。
孜々として読書している青年たちを見ると、あの中から世を驚かす未来の天才が出てくる....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
が、我々はそんな他愛もない復讐はいさぎよしとしないのだ。お前は平安の都に残って、
孜々として勉学にはげみ、立派な学者となる。私は東国の任地に赴き、武を練り、人格を....
「キド効果」より 著者:海野十三
、警視庁の捜査課長が、博士の研究室に、留守居の丘助手を訪ねた。丘数夫は折りふし、
孜々として机の上に拡げた学位論文にペンを走らせていたが、課長の姿を認めると、ペン....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
が、木彫りは今も申す如く、衰えていて、私自身がその当時現に困窮の中に立ち、終日|
孜々汲々としていてようやく一家を支えて行く位の有様であるから、誰も進んで木彫りを....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
く》を添へしむるは広重の最も得意とする処なり。北斎の山水中に見出さるる人物は皆|
孜々《しし》として労役す。然らざれば殊更《ことさら》に風景を指《ゆびさ》して嘆賞....
「明治懐顧」より 著者:上村松園
って、いわゆる「お家芸」を守っている画人は、時代と共に忘れられてしまい、この頃に
孜孜として研鑽を重ねたひとが後に名をなしたのです。栖鳳先生もその一人ですが、私が....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
分にして、ただその品位のやや高きものなるのみ。しかるにわが国、維新以来、人の汲々
孜々として力を改良振起に尽くしたるものは、政府の事業もしくは会社の事業にして、最....
「名もなき草」より 著者:小川未明
れ枯れた、名もない草は、早くも、来年の夏を希望する。そして、その刹那から人知れず
孜々として、更生の準備にとりかゝりつゝあるのを見よ。 人生は、また希望である。....
「アイヌ語学」より 著者:知里真志保
いわれ、同じくその二版については、「改版ごとに必ず改訂せずにおかれない老先生の、
孜々として倦まれざる態度は畏敬に値する」といって、大いに推奨しておられるのであり....