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孝心
「孝心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孝心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
願うか」 この願いは二様《によう》の意味で忠通のこころを動かした。第一は乙女の
孝心に感じさせられたのと、もう一つには自分の過去に対する微かな悔み心を誘い出され....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
受くべきであったが、主人の命でよんどころ なしに引き受けたというのと、かれは日頃
孝心の深い者であるというのとで、上《かみ》にも特別の憐愍《れんびん》を加えられて....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
も、倫理、道徳、修身の方を御研究もなされば、お教えもなさいます、学士は至っての御
孝心。かねて評判な方で、嫁御をいたわる傍の目には、ちと弱すぎると思うほどなのでご....
「運命」より 著者:幸田露伴
、父君に別れ、儲位に立ちたまえる時は、正しく十六歳におわしける。資性|穎慧温和、
孝心深くましまして、父君の病みたまえる間、三歳に亘りて昼夜|膝下を離れたまわず、....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
そ死にもの狂いに成って親の敵を討ちますから、どうぞ剣術を教えて下さいませ」 平「
孝心な者じゃ、教えてやるが手前は親の敵を討つというが、敵の面体を知らんで居て、相....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
れました。 十九 お繼という七兵衞の娘は今年十三になりますが、
孝心な者でございます。母親が居りませんに、また父親が見えませんから、屹度宗慈寺様....
「火星兵団」より 著者:海野十三
っとそれは、人間が息たえだえになる時に、必ず見る幻であったと思うが、また同時に、
孝心ぶかい千二に対し、神が助けの手をのべさせたもうたものと思われた。
「よし、負....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
に合わなかったからであろう、と云った。 不幸で沈んだと名乗る淵はないけれども、
孝心なと聞けば懐しい流れの花の、旅の衣の俤に立ったのが、しがらみかかる部屋の入口....
「鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
数はそれはそれはおびただしいものでした。為朝は力が強いばかりでなく、おとうさんに
孝心ぶかいと同様、だれに向かっても情けぶかい、心のやさしい人でしたから、三|年い....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
」 折しも母は大病であったのを、日蓮は祈願をこめてこれを癒した。日蓮はいたって
孝心深かった。それは後に身延隠棲のところでも書くが、その至情はそくそくとしてわれ....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
わして厚く菩提を葬わしめた。小湊の誕生寺には日蓮自刻の母親の木像がある。いたって
孝心深かった日蓮も法のため母を捨てねばならなかった。 己が捨てし母の御姿木に造り....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
常に親しいいきいきしたシンパシーとをもって拝見したのでした。あなたがそのようにも
孝心深く、老いたる母上をなぐさめいたわりなされたことは、かつて別府にいた頃、あな....
「真吉とお母さん」より 著者:小川未明
くと、すぐにお店に帰って、昨日からのことを正直に主人に話しますと、主人は、真吉の
孝心の深いのに感歎しましたが、感情に委せて、考えなしのことをしてはならぬと、この....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
は穢民の家を捨て、母の縁を尋ねて漁家の種族と名のったのだとか、それは世の侮を防ぐ
孝心の結果であるのだとか、余程穿ったところまで書いてあるのである。この書は表面日....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
桓武天皇の御生母が、その土師氏の女の腹から出られたお方であったという関係から、御
孝心深くましました天皇は、その専業の不当をお認めになり、土師氏葬式の祖業を廃して....