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季題
「季題〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
季題の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ある、小さい夕顔棚もある、虫の声もきこえる。月並ながらも行水というものに相当した
季題の道具立てはまずひと通り揃っているのであるが、どうも一向に俳味も俳趣も泛かび....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
句のつもりである。しかしシナリオ的な叙事詩とはだいぶちがうつもりである。一方では
季題や去り嫌いや打ち越しなどに関する連句的制約をある程度まで導入して進行の沈滞を....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
行の姿を備えるためには少なくも時と空間いずれか、あるいは両方の決定が必要である。
季題の設定はこの必要に応ずるものである。
季題のない発句はまれにはあるとしてもそれ....
「涼味数題」より 著者:寺田寅彦
である。 同じことはいろいろな他の気候的感覚についてもいわれそうである。俳句の
季題の「おぼろ」「花の雨」「薫風」「初あらし」「秋雨」「村しぐれ」などを外国語に....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
それに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記がある。俳句の
季題と称するものは俳諧の父なる連歌を通して歴史的にその来歴を追究して行くと枕草子....
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
一 俳句の成立と必然性 五七五の定型と、
季題および切れ字の插入という制約によって規定された従来普通の意味での俳句あるいは....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
つまり暗黙のうちに物々交換をする訳なのである。 この石投げということは、俳諧の
季題にある印地打ということなので、この風習は遠い昔に朝鮮から伝来したものらしく、....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
た。昆虫学者に会ったら聞いてみたいものだと思っている。 「簑虫鳴く」という俳句の
季題があるのを思い出したから、調べついでに歳時記をあけてみると清少納言の『枕草紙....
「大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
つ者は無い。昔の俳句にも接木とか麦蒔とか人事句は沢山あるが、夫等は人間を配合した
季題の面白味を主としたもので、之に反し近代的な日常生活を中心におき、其真を把握す....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
な」「さようさ、何かでっち上げましょうかな。下萠、雪解、春浅し、残る鴨などはよい
季題だ」「そろそろうぐいすの啼き合わせ会も、根岸あたりで催されましょう」 「盆石....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
立てぬ。筑波嶺おろし 雁を吹くころ 「しおり」は、若干あるが、俳句うつしの配合と
季題趣味とがあり剰って居る。殊に岡麓氏の伝えられた子規自負の「がん」と言う訓み方....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
六匹の鼠がはいっていた。 鼠や蠅は別に詩的材料というのではない。併し蠅は俳句の
季題ではある。 唯或時私は見るともなく窓外に目をやると、珍しくも一匹の黄蝶がひ....
「最近の感想」より 著者:種田山頭火
するところから生まれる。私は人間本来の声――その声に根ざした俳論を熱求して居る。
季題論が繰り返される毎に、私は一味の寂しさを感じないでは居られない。ただ
季題とい....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
ある、小さい夕顔棚もある、虫の声もきこえる。月並ながらも行水というものに相当した
季題の道具立は先ず一通り揃っているのであるが、どうも一向に俳味も俳趣も浮び出さな....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
、それでは一つおれも試みてみようかという気になられたならば、結構なのであります。
季題の一例として私は二十五題を前に掲げたのでありますが、
季題はまだこのほかにいく....