孤剣[語句情報] »
孤剣
「孤剣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
孤剣の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
ルプスの山形は、槍ヶ岳や鹿島鎗ヶ岳(ただし鹿島鎗ヶ岳は観方にもよるが)のような、
孤剣空を削るような、尖鋭な峻峰もあるが、概して花崗岩は塊状を呈し、火山は円錐形に....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
方にむしろ同感した。 この年とった男というのは久津見蕨村で、青年というのは山口
孤剣だった。 やがて二十名ばかりの人が集まった。そしてたぶん堺だったろうと思う....
「獄中記」より 著者:大杉栄
いない。これは僕ばかりじゃない。たしかに堺(利彦)にでも山川(均)にでも、山口(
孤剣)にでも、その他僕等の仲間で前科の三、四犯もある誰にでも聞いて見るがいい。み....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
許されなかった当時の情勢の中で、「大逆事件」は、片山潜、堺利彦、西川光二郎、山口
孤剣によって大衆化した社会主義運動を地下に追いやったばかりでなく、フランスから帰....
「赤旗事件の回顧」より 著者:堺利彦
まじえて五、六十人、それが当時の社会主義運動の常連であった。 この集会は、山口
孤剣(やまぐちこけん・義三)君の出獄歓迎会であった。当時の社会主義運動には「分派....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ことができたら、被告人生活というものもなかなかオツなものなんだけれど。 白熊、
孤剣、起雲、世民の徒は、来るとすぐにこの特権階級にはいったようだ。他のものはみな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の剣術大名という異名があるくらいだった。
故郷の筑紫にちなんで不知火流と唱え、
孤剣をもって斯界《しかい》を征服した司馬先生も、老いの身の病《やまい》には勝てな....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
に一新気運を喚起した後、明治三十四年(一九〇一)の末に至り、鬱勃の元気に駆られ、
孤剣一路、東のかたインドの地の訪問を思いたった。けだし、英国の治下に独立の夢まど....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
蔵はいつまでも、辻から見送っていたが、やがて、独りとなって、東の方へ歩みだした。
孤剣! たのむはただこの一腰。 武蔵は、手をやった。 「これに生きよう! こ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は心に悔いを噛むのであった。 未熟な自分の身一つさえ持てあましているものを――
孤剣を抱いて明日のことさえ知れない身であるものを。――思えば、修行中の兵法者に道....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、法情の慈悲に泣いて、翻然と人生に薄眼を開いて志を起したのも、この血の力である。
孤剣、柳生城の伝統を攀じのぼって、石舟斎に迫ろうとしたあの気概もこの血――また、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
とすら思ってもみなかった。 かつて二十二歳の早春、一乗寺下り松の決戦の場所へ、
孤剣を抱いて臨んだ時のような――ああした満身の毛穴もよだつような悲壮も抱かなけれ....
「三国志」より 著者:吉川英治
ながら歩いてきた。 ふと、駒をとめて、市の騒音の中に、玄徳は耳を澄ましていた。
孤剣葛巾の浪士は、飄々乎として辻を曲がってこなたへ歩いてくる。 その歌うのを聞....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
尊んで、神仏を恃まず 彼は、今から約三百年余前の人である。その頃の社会に、孤衣
孤剣の身を、漂泊のうちに生涯していたといえば、非常に遠いむかしの人を語るような感....